2022/9/23 第3章その2 ふたつ星4047・南行 その1 | 金屋代かずおのお部屋

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(佐賀県待望の列車がついに発車)

 

これまでの旅路

 

 

「9/23 第3章」はほぼ予告通りですが,「ふたつ星4047」です.

こちらも期待の新作観光列車であり,「かもめ2・1・4・3号」ほどではありませんが初日のきっぷはわずか4分で発券処理が全て終了するほどの大人気でした.本来運行初日のサービスは洗練されているとは言い難い部分がありますが,この「ふたつ星4047」においても例外ではなく,この日はハプニングの連発でありました.従ってやや辛口の評価となっている可能性があることをご容赦ください.それでも,西九州新幹線共々,乗車するためだけに西九州を訪問するだけの価値がある列車に育つと思います.

それでは出発します.

 

武雄温泉駅では運行開始式典が行われました.こちらの出発式には山口 佐賀県知事が出席しました.佐賀県にとっては念願のJR九州の観光列車です.

まずは佐世保線を江北に向かって上ります.

  2号車の車内・佐世保線

まずは2号車「キハ140 2125」改め「キシ140 4047」にて,予約していた弁当を引き取りますと同時に,一部の車内の画像を撮っておきます.「ラウンジ40(よんまる)」という名称がついており,カウンターで購入した飲食物を食べたり,休憩したり,車内で提供される体験を実施したりすることができます.

なお,筆者は今回「車内体験」は南行・北行とも参加しておりませんのでご容赦ください.

よく見ると木材の窓枠とド派手な屋根・壁面の装飾,そしてモニタがあります.それもそのはずで,「ふたつ星4047」は「36ぷらす3」の「肥前浜〜長崎」の代替の側面があり,「36ぷらす3」の3号車と4号車の機能をこの1両で賄っているためです.モニタでは沿線の観光案内やJR九州のCMが流れていました.

 

 

入口の上には路線図などはなく「TWO STARS 4047」と掲げられています.

筆者は佐賀牛を使ったのり弁である「4047弁当」を予約していましたので受け取ります.しかし,佐賀牛をふんだんに使った2段重の「ふたつ星弁当」の方が人気があったようです.お値段ははりますが予算によって選択ができます.

途中の大町駅では9600型29611号機が待っています.

 

  江北駅

列車は肥前山口,改め江北駅に到着します.他の特急同様,武雄温泉→江北は16分で走行しますが,この日の「ふたつ星4047」は座席の向きを鳥栖方へ向けており,「座席の向きを変えてください」とアナウンスがなされています.ここは「みどり・こまち・ひだ」同様,この先の長い道のりに向けて席をセットしてもよかったのではないかと思いました.

江北駅では住民の皆様と「ビッキー」が大歓迎を行っていました.

江北駅では8分止まります.乗客はこの間にホーム上でのマルシェで買い物をすることができます.また,この日は運行初日ということもあり,乗客全員に「炊いたご飯」を含む資料がプレゼントされました.

江北町では伝統で全国区で名を知られる「肥前山口」の駅名を変えてまで町のPRに努めており,その必死さと危機感を感じます.

そして,出発していきます.

 

  肥前鹿島駅

列車は肥前鹿島駅を通過,せず,運転停車します.

有明線用に整備されたキハ47型と交換します.こちらに関してはこの旅の後半でじっくり見ていきます.

肥前鹿島にとっても,今回の新幹線開業では有明線の第三セクター転換の阻止及び,特急「かささぎ」の設定に成功したということで,今後の活用を考えていく重要な日です.実際,肥前鹿島駅では9/23の「かささぎ102号」に対して出発式を行い,利用した方に証明書を発行するなど,「かもめ」「ふたつ星4047」と遜色ない力の入れ方で歓迎していたとのことです.

  肥前浜駅

列車は肥前浜駅に到着します.「36ぷらす3」で行われた立ち寄り観光は,筆者も参加したことがありますが素晴らしいもので,楽しみにしていた駅であります.それが評価され,「36ぷらす3」においては肥前浜駅への立ち寄りが継続,そして「ふたつ星4047」においても停車駅となりました.

 

 

 

 

ここは「肥前浜宿」をルーツにもつ町で,現在は鹿島市中心部に譲っているものの「祐徳稲荷神社」の門前町,そして水を生かした酒造りが盛んな町です.かつては機関車への給水も行われていたそうです.

また,停車駅でもないにもかかわらず「46年間ありがとう特急かもめ」と掲げられています.実際,9/22の「かもめ45号」に対しては花火を打ち上げていたとのことです.

「かし丸」はこちらにいました.肥前浜駅でも,乗客全員に「鹿島海苔」を含む資料がプレゼントされました.

肥前浜駅には日本酒の飲み比べができる「HANA BAR」があります.ここでは「純大・大吟醸」「純米吟醸」「純米酒」を飲み比べるセットが1,000円で販売されていました.銘柄は選択でき,種類ごとに別々の銘柄にしても良いのですが,筆者は全部「鍋島」を選びました.また,クリームチーズ粕漬がおつまみとしてついています.

なお,D&S列車の例に漏れず,テーブルは座席中央から引き出す仕様となっており,背面テーブルはありません.筆者はこれを全て飲み終えるまで,弁当に手をつけることができませんでした.かなりの量があり「せんべろ」を文字通りに体験することとなります.

9/22をもって,この先に「電車」が走ることはないのですが,この日の時点ではまだ生きていました.停車位置目標<9>も残っていますが,この区間には通常9両編成の列車はもうやって来ません.

 

肥前浜駅での停車時間は7分,出発時間が近づくとスタッフからハンドベルで知らされます.乗り遅れにはくれぐれもご注意ください.

 

南行きはここまでを前半とし,後半はいよいよ,電線が剥がされることになった「有明線」,そして「旧線・長与経由」を通ることになります.「ふたつ星4047」の旅はここからが本番です.

 

続く