関西の鉄道観光に新しい変化 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(使いやすい車両だが余っているとは言い難い?)

(画像は模型です.筆者はキハ189系は未撮・未乗です)

 

本日は,本日までに発表されたJR西日本のプレスリリースを軸に記事を構成します.主に関西地区・JR西日本近畿統括支社の話題となりますが,中国統括支社においても無視できない話題となりますので,記事化となりました.

  キハ189系新型観光列車 

記事化の動機となったのは,キハ189系改造の汎用の新型観光列車です.「地域の華(はな)を列車に集めて、お客様と地域の縁を結ぶ列車」というコンセプトで,3両編成の車両を茶色ベースに装飾,内部は広々としたテーブル付きの席・多人数用の個室・イベントスペースがあり,現行のグリーン車以上の価格帯での運行となるようです.デザインは「雪月花」「WEST EXPRESS 銀河(WE銀河)」同様のイチバンセン・川西康之氏によるものです.デビューは2024年秋の「北陸デスティネーションキャンペーン」であり,西日本各地で運用できますが,まずは小浜線・舞鶴線・山陰線の「小浜〜城崎温泉」での運行となるようです.2023年夏の「兵庫デスディネーションキャンペーン」や2024年春予定の北陸新幹線敦賀開業よりは後になります.

 

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231706fbca668d969515f68f0edec584.pdf

 

 

この列車には多くの考察点があり,独自に考えていきます.

 

まずは現在のキハ189系の扱いです.現在キハ189系は「はまかぜ」などで使用されていますが,通常は3両編成2本があれば運用が回りますが,冬季は城崎温泉を中心とする観光の繁忙期で3両編成4本が定期列車6本に,さらに3両編成2本が「かにカニはまかぜ」2本に使用されます.おそらくはキハ189系の検査を冬季に行わないようにするなどの調整がなされると思いますが,決して余裕がある運用とは言い難いです.場合によっては「かにカニはまかぜ」の運行終了・「はまかぜ」の減便が考えられます.そうでなければ「かにカニはまかぜ」にこの車両を使う便が設定される可能性があります.

 

(この節の参考文献:

)

 

次に,比較的閑散な時期の中程度の豪華旅行を担うこの車両は「サロンカーなにわ」と役割が被ります.サロンカーなにわは2023年6月に検査期限を迎えるため,この車両と入れ替わりに引退させる可能性があります.その場合は,キハ189系の観光列車に防弾ガラスが装備される必要があるかもしれません.

 

おかげさまで,この記事はよく見られています.

仮に実現すれば「サロンカーなにわ」(およびEF65・DD51形式機関車)の人気の高さによる,社員・警察官の派遣による警備強化をする必要がなくなるため負担が軽くなります.寂しい気がしますが「サロンカーなにわ」は50年選手でした.やむを得ません.最も,この車両は引き継いで「撮り鉄」に狙われる車両になります.

 

そして何と言っても,キハ189系の運用範囲の広さはこの列車については武器になります.キハ189系はキハ40系性能・キハ181系性能でも運転でき,(2024年時点で連続している)JR西日本の路線では「木次線」「JR東西線・関西空港線など(*)」を除く,敦賀・亀山・新宮〜下関の,維持が困難であると表明されている線区を含めた全ての区間で運用ができえます.デザインは「雪月花」「WE銀河」で実績のある川西氏,単純に車内設備を考えると,他社の「36ぷらす3」「伊予灘ものがたり」に通じるものがあり,基本的に期待しかありません.個人的には2018年9月に運行された「山陰本線迂回貨物」を彷彿とさせる,「伯備・山陰・山口線経由 岡山〜新山口」などの長距離列車の実現に期待します.

(*):追記しました.この路線は「キヤ141系・DEC741型」以外の気動車は運行できません.

 

 

模型においてもポポンデッタにおいて,歴代のポポンデッタ製品において屈指の傑作としてキハ189系が存在します.ぜひ,製品化に期待します.余談ですが,ポポンデッタの前身「河合商会」が事業を停止して,まもなく10年となります.

 

なお,「敦賀〜城崎温泉」の観光列車に適する車両として挙げられうる「タンゴエクスプローラー」ことKTR001系はすでに解体されています.

 

 

  「WESTER」「tabiwa by WESTER」リニューアル

JR西日本のアプリ「WESTER」に列車位置情報にアクセスできる機能が追加されます.また,「setowa」に北陸エリアの情報を掲載するリニューアルがなされ,その名も「tabiwa by WESTER」に変更となります.限定のお得なきっぷや「伊予灘ものがたり」の食事はここから申し込みます.

 

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221012_03_press_tabiwa.pdf

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221012_00_press_wester.pdf

 

  その他

  • 京都鉄道博物館の500系を「エヴァンゲリオン弐号機」をモチーフにラッピングする,その名も「500 TYPE EVA-02」が登場します.期間は10/28〜2023/1/29となっています.「ハローキティ新幹線」など既存の運行中の500系に対して行うものではありませんのでご注意ください.しかし,それにも関わらず「プラレール」「シンカリオン」が製品化されます.
  • JR貨物広島車両所は,検査などの車両所業務を行いながら改修されます.期間は2029年3月末までという長期に及びます.一般の方の視点からすると,昨今「EF61」などが解体された遠因になっている可能性があります.(「アンケート」となっていますが,これは工事の受注を検討している業者向けのものです)
  • 阪急電鉄では2022/12/17にダイヤ改正を行います.2024年に京都線で座席指定サービスを実施することを意識した内容となり,「快速急行」を「準特急」とします.そして,6300系で運転される「快速特急 京とれいん」が運行終了します.
  • 2021年度のJR西日本全線の輸送密度が発表されています.しかし,これだけでは追加の考察が行えないため,まだ単独記事には致しません.

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221006_02_press_500keishinkansenn.pdf

https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/dd2e3f9dbc4759095b47e378f4d54e59336a79ac.pdf

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221005_00_yusoumitudo.pdf