STEAMで深まる鉄道模型 Nゲージ・ジオラマのデザイン力 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

今年の鉄道模型コンテストに合わせて,このようなタイトルの冊子が各鉄道模型店に配布されています.青春18きっぷシーズンが終わったこともあり,この機会に紹介しておきます.

(冊子の引用および,筆者の所感も多く含みます)

「STEAM」とは

「蒸気」ではなく,
  • Science(科学)
  • Technology(技術)
  • Enginneering(工学)
  • Art(芸術)
  • Mathematics(数学)

をつながりのなかで学んでいこうとする考え方のことです.

(冊子より引用)

鉄道模型・ジオラマ作りと深い関係があり,カトーが東京大学の教員と協力して制作したのがこの冊子です.

内容

要は,中高生向けのジオラマ作成の入門書です.
「Nゲージ鉄道模型は実物の1/150の大きさであり,電気で動く」という話から始まり,ジオラマの計画プロセス,天然物・人工物の各種情景の作り方,表現方法,ひいては「ファンタジー」的な表現,作品発表での写真撮影のコツまで紹介されています.
少しの気づきで見違えるほどジオラマが良くなるということが,わかりやすく書かれています.

読んで思ったこと

(筆者がKATOのジオラマ教室で作成したジオラマです)

そもそも,ジオラマの制作に車両はおろか線路も必要ありません.(この冊子の目的の一部とはずれますが)材料も100円ショップで揃います.とにかく小さいジオラマを作っておき,それを並べるだけでも楽しめそうです.車両や線路集めに比べてお金もかかりません.もはや鉄道趣味ではなくなっています.最初から「鉄道関係の,実際の情景を再現する」にこだわらない方が,かえって表現力が鍛えられるような気がしてきました.

筆者の知人が作った植木と池です.材料は100円ショップで揃えたそうです.

要は「よく考えて使ったら良いものができます」ということにつきます.筆者もよく考えないといけませんが,予算(模型車両ほどではありませんが)・時間には制約があります.

実際の教育的に考えると

若いうちにこのような経験ができると力になると思います.とはいえ,小学生世代では全体的なシステム・技術の理解・予算が不足がち(しかも増やすのに時間がかかる),中高生世代では受験対策・塾通い・部活動(「(特に男子は)運動部に入るもの」と暗黙の了解ができている学校・地域もあります),大学生世代でもアルバイト・就職活動に追われるますし,気の合う仲間と普通にゲーム・小旅行(これらにも教育効果はあります)などで遊びたい年頃ではあります.また,鉄道に興味がある方はどちらかというと車両・設備・運用に目がいきがちです.筆者もそうでした.この活動に全力で取り組むのは意外と難しいのかもしれません.

JAM会場にて

この冊子の精神に合ったレイアウトが多く展示されているのは,もちろん「鉄道模型コンテスト」であり,筆者も2015年に訪問しています.しかし,会場の画像はことごとくブレていました.そこで,今回のJAMで出展されていた作品のうち,いくつかを紹介します.いずれも固定観念にとらわれない作品だと思います.
2020年8月の「鉄道模型コンテスト 九州大会」が実に楽しみです.
ちなみに,この冊子はKATOの品番「25-915」がついており,100円+税ですが,価格も付いてます.
ジオラマを作るのであれば,まずはこの冊子を読むことになるでしょう.
 
※筆者のレイアウトの改修予定はありません.ご容赦ください.