専門知識だけでは、強度行動障害は支援できない ~すべての土台にある「権利擁護」~ | 東京府中の税理士、金成祐行の日々の気づき

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東京府中の税理士法人かなり&パートナーズの経営や、強度行動障害の状態にある自閉症の息子との生活など悪戦苦闘ですが、日々気づいたことを書いております。

 

◇強度行動障害の支援には、専門知識がある

強度行動障害の状態にある方への支援には、

さまざまな専門的な知識や技術があります。

例えば、
ABA(応用行動分析)

行動だけを見て叱ったり止めたりするのではなく、

その行動が「なぜ起きているのか」を、

行動の前後関係などから考えます。

そのための方法として、
 

・ABC分析

・機能的アセスメント

などがあります。

また、

コミュニケーションの面では、

・AAC(補助・代替コミュニケーション)

・PECS

などがあります。

言葉による意思表出が難しい方にも、

写真や絵カードなどを使って、

自分の意思を伝えられる方法をつくっていきます。

さらに、

TEACCHの考え方や構造化、視覚的支援

によって、

「次に何をするのか」
「いつまでなのか」
「どこでするのか」

を分かりやすくし、

見通しを持てる環境をつくる。

国の強度行動障害支援者養成研修でも、

障害特性の理解、コミュニケーション、

構造化、行動の背景、虐待防止、

記録に基づく評価などが重要な内容として扱われています。

どれも、とても大切な専門性です。



しかし私は、その前に、

”もっと大切なもの”があると思っています。

それが、

👉「権利擁護」の姿勢

です。



◇「困った人」ではなく「困っている人」

強度行動障害の状態にある方が、

・大声を出す
・物を壊す
・自分を傷つける
・他人を叩く

支援する側から見れば、

「困った行動」

に見えるかもしれません。


しかし、そこで、

「この人は困った人だ」

と考えるのか、

それとも、

「この人自身が、何かに困っているのではないか」

と考えるのか。


私は、この違いこそ、

支援の出発点だと思っています。



◇なぜ、その行動が起きたのだろう

強度行動障害の状態にある方が、


👉「困っている人」

 

と考えれば、

支援者の発想は変わります。


なぜ…

 

・この人は大声を出したのだろう
・何が不安だったのだろう
・何を伝えたかったのだろう
・音が辛かったのだろうか
・予定が分からなかったのだろうか
・嫌なのに、伝える方法がなかったのだろうか。

こう考え始めて、

初めて、ABAも、
ABC分析も、PECSも、構造化も、
本来の意味を持つのではないでしょうか。



◇「権利擁護」がなければ効果がない

しかし…

 

「権利擁護」という土台が、

なかったらどうでしょう。

・「言うことを聞かせる」
・「勝手なことをさせない」
・「暴れたら強く制止する」
・「社会のルールを覚えさせる」

という発想になりかねません。


つまり、

👉「支援」ではなく「躾」

になってしまいます。


しかし、
忘れてはいけないことがあります。


強度行動障害の状態にある方も、
意思を持った一人の人間です。

子どもではなく、

 

👉成人であれば一人の大人です

・何をしたいのか
・何が嫌なのか
・何を選びたいのか

大人の人間としての、
本人の意思があります。


それを尊重することが、
支援の大前提なのだと思います。



◇専門知識より先に「人として見る」

その専門知識を使う人に、

👉「この方の権利を守る」

という姿勢がなければ、
どれほど高度な技法を覚えても、
その技法が本人をコントロールするための、

道具になってしまう危険があります。

厚生労働省が「障害者虐待防止」と「権利擁護」を、

一体として研修体系に位置づけていることも、

この点を考える上で重要だと思います。



◇「権利擁護」が「土台」、専門知識はその上に

私は、強度行動障害支援を考えるとき、
こんな構造なのではないかと思っています。

土台にあるのが「権利擁護」。

その上に、
専門性が積み重なっていく。

土台がしっかりしていることを前提に、
専門知識は、
本人が安心して、

その人らしく暮らすための道具になります。


しかし、
土台がなければ、
同じ専門知識であっても、
効果は殆どありません。


だから私は、

強度行動障害の状態にある方を支援するとき、
まず支援者自身が、

👉「この方は、意思と権利を持った一人の人間である」

ところから始めてほしいと思っています。


「困った人」ではない。
「困っている人」なのです。


ここから始めれば、
強度行動障害の支援の多くは、
それだけで、

解決できるケースも多いと思います。