「報告しない人」を責めても、解決しない ~組織心理学が教えてくれた環境調整~ | 東京府中の税理士、金成祐行の日々の気づき

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東京府中の税理士法人かなり&パートナーズの経営や、強度行動障害の状態にある自閉症の息子との生活など悪戦苦闘ですが、日々気づいたことを書いております。

 

◇報告をしない人

 

こんな経験はありませんか?

・必要な報告をしない
・相談をしない
・連絡が遅い
・情報を自分だけが知っている状態を作る

周囲から見ると、

「なぜ報告しないのだろう。」
「わざとなのかな。」

と思ってしまいます。

しかし、
組織心理学を学ぶと、
少し違う景色が見えてきます。



◇「知識隠蔽」という研究

組織行動学には、

👉「Knowledge Hiding(知識隠蔽)」

という研究分野があります。

知識や情報を、
意図的に共有しない行動です。

Connellyら(2012)は、
この行動を詳しく分析しています。

つまり、


👉「情報を抱え込む」
 

という行動は、
本人の単なる性格の問題ではなく、
研究対象になるほど、
組織ではよく起きる現象なのです。



◇なぜ情報を抱え込むのか

理由はいくつもあります。
その中の一つが、
 

👉自分の価値への不安

です。

自分の能力に自信が持てない。
組織の中での立場に不安がある。


すると、無意識に

👉「自分しか知らない情報」

を持つことで、
自分の存在価値を守ろうとすることがあります。

つまり、情報がまるで、

👉

 

のようになってしまうのです。

 

 

そういえば・・・

 

市役所が、

情報公開請求で、

真っ黒に墨消しした文書を出してくるのは、

法的責任の回避という前に、

このような心理も隠れているのかもしれません。




◇報告すると、不安になる

情報を共有したり、開示したりすると、
 

・自分だけが持っていた強みがなくなる
・ミスを指摘されるかもしれない
・評価が下がるかもしれない

そのような不安から、
報告や相談を避けてしまう。


本人は、
組織を困らせようとしているのではなく、
自分を守ろうとしている場合も少なくありません。

もちろん、
すべてがそうとは限りません。

組織文化や、
上司との信頼関係、
過去の失敗体験など、
様々な要因が重なります。


しかし、

👉「情報を抱え込む=悪い人」


と、善悪だけで決めつけることは、
本当の解決にはならないのです。



◇情報を共有できる人は、何が違うのか

一方で、
優秀なリーダーほど、
驚くほど情報をオープンにします。

なぜでしょうか。

それは、

👉「情報を共有しても、自分の価値は下がらない」

という安心感を持っているからです。


自分の価値は、
情報量ではなく、
人格や判断力、
行動力によって決まる。

そう思える人ほど、
惜しみなく情報を共有します。



◇心理的安全性が組織を変える

近年、
Googleの「Project Aristotle」でも、
成果の高いチームには、

👉心理的安全性

が共通していることが示されました。

・安心して質問できる。
・失敗を話せる。
・困ったと言える。

そんな職場では、

自然と情報共有も活発になります。

つまり、
「報告しなさい。」

と言い続けるより、

👉「報告しても大丈夫。」

と思える環境を構築する方が、
はるかに効果的なのです。


この意味で言えば、

この「報告をしない」という行動も、

広い意味での、

 

👉「行動障害」

 

にあたるのだと思います。



◇私が組織づくりで大切にしていること

私は、
スタッフには、
できるだけ情報をオープンにしてもらいたいと思っています。


もちろん、
ルールは必要です。

報告・連絡・相談も、
社会人として大切な責任です。

税理士法人を管理する上でも、

最も大切なことであると言っても、

過言ではありません。


でも、
その責任を果たしてもらうためには、

まず、

👉安心して話せる環境をつくること。

それが、
本当の意味での組織づくり

なのだと思っています。



◇人を責める前に

「報告しない人」
を見ると、
つい性格の問題だと思ってしまいます。

しかし、

その行動の奥には、
本人も気づいていない不安が、
隠れているのかもしれません。

人を責める前に、
組織の仕組みを見直す。
心理的安全性を高める。
このような環境を構築する・・・



そうした積み重ねが、
情報が自然に流れる、
強い組織をつくるのだと、

私は思います。