◇経営資源がないことに、誇りを持つ。
私は、
50年以上、吹奏楽に携わってきました。
その中で、
高校時代から大変お世話になった、
故・根本直人先生の言葉が、
今でも心に残っています。
先生は、よくこうおっしゃっていました。
「私たちは中小企業なのだから、
足りないものは皆で補って演奏するのだよ。」
この言葉は、
吹奏楽だけではなく、
今の私の経営観そのものになっています。
⸻
◇中小企業には「ない」がたくさんある
中小企業には、
・お金がない
・人材が足りない
・情報も少ない
・設備も十分ではない
まさに、
👉「ないないづくし」
です。
しかし、
だからこそ、
・知恵を使います
・工夫をします
・人を育てます
そこが、
中小企業の強さなのだと思います。
⸻
◇足りない音は、工夫で創る
根本先生は、
「楽器が足りないから、この曲は演奏できない」
とは決して言いませんでした。
例えば、
オーボエがいなければ、
他の楽器でその旋律を演奏する。
演奏者が足りなければ、
トロンボーン奏者が、
時にはオーボエを持ち替えて吹く。
必要があれば、
楽譜そのものを書き換えて、
他の楽器に役割を持たせる。
そうして出来上がった演奏は、
「楽器が足りなかった」
とは誰も感じないほど、
雄大で美しい音楽になるのです。
先生は、
足りないことを嘆くのではなく、
👉「今あるもので最高の音楽を創る」
ことを考えていました。
私たちは、そのような音楽創りを、
誇りに感じていました。
だからこそ、
地方の公立高校である磐城高校が、
全日本吹奏楽コンクールの常連となり、
全国の名だたる私立高校に、
対抗できていたのだと思います。
この演奏は、20年前の私たちの演奏です。
コンクールで演奏した「カンタベリーコラール」です。
高校吹奏楽部のOB演奏ですが、
演奏人数は30名。
トロンボーンの本数がたりないので、
ホルンで代用しています。
その他、改変多数・・・・
作曲者のヴァン・デル・ローストさんも、
先生が書き換えた楽譜を見たら、
卒倒するのではないでしょうか![]()
でも、ものすごく、
パッションを感じる演奏だと思いませんか?
⸻
◇これは経営そのもの
私は税理士になってから、
何度もこの言葉を思い出しました。
中小企業は、
大企業と同じ土俵では戦えません。
人も、
お金も、
ブランドも、敵いません。
だからこそ、
・工夫で勝つ
・知恵で勝つ
・スピードで勝つ
・人間力で勝つ
それが、
中小企業の戦い方なのだと思います。
中小企業は、
その戦い方に、
喜びと誇りを感じるのです。
⸻
◇「ない」は弱みではない
私たちは、「足りない」ことを、
つい弱みだと考えてしまいます。
しかし、
本当にそうでしょうか。
もし、
すべてが揃っていたら、
工夫する必要はありません。
知恵も生まれません。
仲間同士で補い合うこともありません。
不足があるからこそ、
創意工夫が生まれ、
人が育ち、
情熱が生まれ、
組織が強くなる。
私は、
それこそが中小企業の
強みだと思っています。
⸻
◇中小企業魂
根本先生は、
吹奏楽を教えていたのではなく、
生き方を教えてくださっていたのだと、
今になって思います。
経営資源が足りない。
だから諦めるのではない。
経営資源が足りない。
だから工夫する。
その工夫で、
大企業にも負けない価値を創り出す。
これこそが、
私が大切にしたい
👉「中小企業魂」
なのです。
