露口絹子役を演じる織田梨沙は、1995年生まれのモデルです。今回は200人のヒロイン候補の中からオーディションで選出されました。本作で本格的な役者デビューとなる織田ですが、大友監督が絶賛したその演技に注目です。
露口浩一の娘で、「露口一家殺人事件」の後、行方不明となっていた。露口浩一の死刑執行後、突然姿を現す。怪しい魅力で第九チームを翻弄する。
薪を助ける副室長・岡部を演じるのはモデル、俳優として活躍する平山祐介。【劇場版 MOZU】や【THE LAST MESSAGE 海猿】にも出演していましたよね。
映画オリジナルのとなる所轄の刑事、眞鍋俊介として出演しました。
【秘密あらすじ:起】
優秀な若手刑事である青木一行は、第九という部隊に新たに配属される予定です。この第九という部隊は天才と称される室長の薪を率いる大変優秀なメンバーで構成されていますが、警察の中で正式なものとして公表しているものではありません。その理由が、死者の脳内から真実を追うという極めて特殊な行為を行う部隊だからです。死者の脳内に入るためには、第九のメンバーの誰かの脳内に映像を取り込まなければなりません。この時にもっとも注意しなければならないのは、客観的にみないと精神に異常を起こしてしまうということです。殺害された人物、および、殺人をおこした人物の脳内映像をみるということはそれほどに危険なことであり、過去には、脳内映像をみたことで殉職した刑事がいるということも青木は説明を受けました。そしてその殉職した刑事とは、第九の室長である薪と、監察医の三好の同期である鈴木という刑事でした。そのうえで青木は第九メンバーになるべく、死刑が執行された殺人犯、露口浩一の脳内をみることになりました。
【秘密あらすじ:承】
そこで青木は脳内映像で露口浩一は冤罪だったということを知ることになります。露口浩一は家族を殺害し、死刑判決を受け執行されましたが、実際に脳内に映った映像では、露口浩一の娘である絹子が家族を殺している映像でした。浩一は娘の絹子の罪を被って死刑を受けていたのです。絹子は現在行方不明となっていましたが、映像を見る限り、絹子の慣れた手つきから初めての殺害ではなくおそらく凶悪な殺人犯になり得ていると薪、および青木は判断し、すぐに動き出すように刑事課に指示をします。ところが、露口一家の殺人事件は世間でも大きく話題となったニュースであり、今更冤罪などと公表できないという理由で、刑事課は動こうとはしません。しかし、露口浩一を逮捕した眞鍋刑事は事件の鍵を握るであろうと想定し、半ば強引な方法で捜査メンバーに加え、絹子の行方を第九メンバーおよび眞鍋で追うことになります。
【秘密あらすじ:転】
絹子の行方を追う上で重要な手がかりは、浩一の脳内映像に映っていた絹子の異常な肉体関係でした。絹子は父親に見せつけるかのように、ほかの男性と肉体関係をもっていたため、脳内映像から複数の男性を割り出すことに成功したのです。しかし捜査中、関係性を持っていた男性のうち5人が同日に自殺するという奇妙な事件が起きました。そしてこの5人に共通することは、史上最悪の大量殺人である貝沼事件の犯人、貝沼清孝と接触があるということでした。捜査が難航する中、絹子は突然弁護士事務所に姿を現しました。絹子は自らを記憶喪失だと主張し、犯罪のことも当然わからないといいます。第九としては絹子を真犯人として犯罪を立証したいところでしたが、脳内映像だけでは証拠不十分で立証できません。そして調査中に、また絹子が犯人ではないかと想定される殺人事件が発生してしまいます。しかも殺害された少年が全盲だったため、脳内を映像化することができません。そのような中、捜査のため殺害現場となった露口家にいた眞鍋と絹子が対峙します。青木もあとを追うように露口家に到着しますが、絹子に操られるかのように眞鍋は自殺してしまいます。青木も足を撃たれ重傷を負います。一方薪は、絹子と貝沼とつながりを調べるために自殺してしまった同期、鈴木の脳内を見ることにします。本来であれば死刑が執行された犯人である貝沼の脳内を見るところですが、貝沼の脳は、鈴木が自殺する前に銃で打ち抜き破損してしまっていたのです。鈴木の恋人であった監察医の三好の協力を得て、意を徹して、薪が鈴木の脳内映像を見ます。そこに映っていたのは、貝沼が大量に殺人をしたのは薪へのプレゼントだと鏡に語りかけている内容だったのです。さらに脳内映像を追うと、貝沼が昔、他人の財布を盗もうとしたところ若き刑事時代の薪が思い止まらせていたのです。そして薪のやさしさによりその犯罪を見逃してやり、さらにはお金を渡す施しを行っていたのでした。殉職した鈴木は、薪にこの映像を見させないために貝沼の脳を撃ち抜いたのです。そして自分の脳も撃ち抜こうとしましたがそれができず、薪に自分を殺すよう指示し、もみ合いになった結果、薪が鈴木を撃ち殺してしまったという内容が鈴木が殉職した真実だったのです。
【秘密あらすじの結末】
重傷を負って入院している青木は、絹子に殺されたであろう全盲の少年の介助犬の脳内を見るように提案します。その記憶から、絹子が少年を事故死させたこと、さらに絹子の居場所が判明します。絹子のもとへと向かった薪が目にしたのは、花に囲まれ火を放っている絹子の姿でした。病院でリハビリをしていた青木は、絹子事件の報道を見ています。結局、火を放ったはずの絹子の遺体は見つからず、現在また行方不明とのこと。なんとか退院した青木は辞表を薪に提出します。逆に薪からは青木にUSBが渡されました。自宅で青木がUSBの中の映像を見るとそこには、盲導犬からの目線で、笑い合う家族、少女たち、恋人たちの愛に満ち溢れた世界が映っていました。青木は寝たきりの父のもとへ涙を流し、何かを決意したかのように立ち上がるのでした。
ラストシーンの亡くなった盲導犬の視覚記憶に残る絹子の笑顔を最後に出したくて監督は絹子役の織田さんを最悪なサイコパスにさせたんだろうかなぁ。通りすがりの人たちの服の色が全てピンク色に統一されていたり脳に残っていた松坂桃李くんが見ていた風車のシーンと一体になってたのかなと。
帰宅した青木は、ノートパソコンでUSBメモリを開きます。その映像を見た青木はショックを受け、泣きそうな顔で立ち上がろうとしました。
青木が見た映像は、盲導犬の見た世界です(これは死の直前に見たものではなく、盲導犬が生きていた頃の楽しかった思い出の世界かな?)。
花見の頃の風景、赤ちゃんを抱っこした女性、笑う男子高校生たち…。みんな笑顔を浮かべており、ゴールデンレトリーバーの見た世界は、とても温かくてとても美しく、本当に世の中が美しかった、幸せだったと思われるものでした。
盲導犬の飼い主のガールフレンドだった、まだ洗脳されていない頃の絹子が、レトリーバーのハーネスを外して笑いかけているのがより泣けました。