地下鉄9号線の恐怖 in seoul | パリ市民への道〜旧ソウル市民への道〜

パリ市民への道〜旧ソウル市民への道〜

2010年春、家人のソウル転勤への帯同で始めた「ソウル市民への道」。あれから5年。今度はまさかのパリ転勤。ボンジュールとピジョン(鳩)しか知らない私が果たしてパリ市民になれるか?いや、なれないかも…

引越し荷物散乱の中、


滞在中に食べた料理の話など書きたいのですが、




やはり何はなくとも、帰国日に地下鉄で遭遇した、ナゾの男について。






地下鉄は、空港まで1本の9号線。


来るときと同じだし、地下鉄には何度か乗ったので、


券売機も改札も、一人ですいすいっと。




時間があったので、各駅停車に。


10時くらいなので、車内もかなり空いています。








先頭車両で、韓国語レッスンの本を読んでいると…








ドッドッドッドッドッド…






という音が近づいてくる。







一同、音のする方向を見る。




すると、


ハーフパンツにピンクのウィンブレ、


白髪交じりのスポーツ刈りに、スポーツ用メガネ?サングラス?


足にはジョギングシューズ、


そして、なぜか右手に

ペーパーバック(雑誌)を持った男性(40半ば)が、






猛スピードで走ってくる!








早っ!








とはいえ、ここは先頭車両。




猛スピードのまま、行き止まりになった彼は、


運転席のドアノブを






ガシャガシャガシャ!!!!!




と開けようとしています!






怖っ!






開かない、と分かった彼、


アスリートのスポーツ後のけだるい雰囲気を出しながら、


「ふーっ」とドアに寄りかかります。








この時点で、車内に緊張感が。






…と、彼。




いきなり、空いている席にペーパーバックを




バサっ




と投げ捨て、






吊り革で懸垂スタート!!




ガチ懸垂!




一同、唖然。






数回やってから、おもむろにペーパーバックを拾い上げ、


近くに座っていた女性になにやら話しかけています。


(もちろん、私には分かりません)






あ、こちらに向かって歩いてきた!






私、本を見ながら心は完全に上の空。


教えてもらったハングルを呪文のように心の中で繰り返します。






「ハングクゴ モルゲッスムニダ」


(韓国語 分かりません)






ドキドキしすぎて口から心臓が飛び出そ…






彼、私の横に到着!








(ハングクゴ モルゲッスムニダアアアアアア!)








再びペーパーバックを私の横の空席に投げ捨て、


今度は、目の前にあった手すりに両手でつかまり、




また懸垂!






もちろん、私、見ないフリをしながら、


ひたすら






(モルゲッスムニダー!モルゲッスムニダー!)






超汗だく。






いや、彼じゃなくて、私が。






数回懸垂を続けた後、ペーパーバックを拾い上げ(←いらないだろ、このペーパーバック)






(モルゲッスムニダー!)




と唱える私に、は話しかけず、




また先ほどの先端ポジションへ。




この時点で、数人が席を移動。




やめてー!周りがガラガラになっちゃうじゃん!






彼、再度ペーパーバックを投げ捨て(←この行為にだんだんムカつく)、




今度はなんと!






吊り革で!








スパーリング!










なぜ!?


なぜそれでスパーリングをする!?


確かに色は黄色でそれっぽく見えないことはないけど!


いや、全然見えないけど!








キモい。キモ過ぎます。




誰か「ボクサーかっ!」って突っ込んでくださいー!






その後、彼は投げ捨てすぎてボロボロになったペーパーバックを拾い上げ、




別車両へと去っていきました…










もちろん、私はずっと




「モルゲッスムニダ」




と唱えていましたが。








まさか帰国直前にこんなオチがつくなんてー。






9号線、お気をつけを!





つづく。