司法書士の山口です。
前回、クレジットカードの詐欺(不正利用)について、ブログをアップしました。
今日は、特殊詐欺について。
特殊詐欺とは「非対面詐欺のこと。面識のない不特定多数からお金やキャッシュカードを騙し取る」犯罪です。
普通の詐欺との違いは、
・被害額が大きい
・組織犯罪化した詐欺である
・社会的に多大な影響がある
といったところでしょうか。
オレオレ詐欺などが、代表的な特殊詐欺ですね。
なんと、この特殊詐欺は、1日で約7730万円もの被害が生まれています。
年間で282億円の詐欺被害額…。
クレジットカード不正利用と特殊詐欺だけでも、1年の被害額は600億円以上。
詐欺の分野ではこれだけのお金が動きます。
つまり、より巧妙に、激しく、詐欺を行ってきますので、本当に注意が必要なんです。
警視庁では、令和2年から特殊詐欺を10類型に分類しています。
特殊詐欺の種類
①オレオレ詐欺
親族を装って「おれおれ」といってお金を騙し取るもの。
特殊詐欺の王様であり、知らない人もいないでしょう。
②預貯金詐欺
警察官、銀行職員等を装って、キャッシュカードと暗証番号を盗み取るもの。
また、役所の職員を名乗り、「還付金の手配に必要」とキャッシュカードを盗み取るケースもあります。
③架空料金請求詐欺
これも昔からありますね。
メールや封書で、架空の請求書を送って、お金を振り込ませるもの。
利用してないものも、利用したことにして、お金を騙し取る手口。
現在は少し進化してるようで、コンビニで買えるネット決済のプリペイドカードの番号などを送らせるケースもあるよう。
④還付金詐欺
税務署や区役所などを名乗り、還付金を振込むように見せかける手口。
被害者にATMに行かせて、携帯電話で還付手続きを指示するふりをするものの、実際は犯人口座へ「振込み」をさせられます。
⑤融資保証金詐欺
実際には、融資(お金を貸す)つもりはないのに、「融資ができる」と案内する手口。
融資申込み者に保証金を請求し、保証金を振込ませた後は、音信不通になります。
⑥金融商品詐欺
投資を提案し、儲かると信じ込ませ、その購入代金として金銭等をだまし取る手口です。
未公開株や、社債、ほとんど価値のない物品の購入などを、勧めてきます。
「上場確実ですので、必ず儲かります! 元本も保証します!」
「△△社の株(社債など)を買ってくれたら、あとで高く買い取ります。」
的な手口のものです。
⑦ギャンブル詐欺
「パチンコ、パチスロ必勝法」
「公営ギャンブルの必勝法」
「宝くじ(特に『ロト6』などの数字選択式)の当選番号」
を教えると持ちかけるもの。
ようは、情報詐欺です。
⑧交際あっせん詐欺
「男女紹介」等の案内に申し込んできた人に対して、会員登録料金や保証金等の名目で金銭等をだまし取るもの。
⑨その他の特殊詐欺
上記の類型に該当しない特殊詐欺のことをいいます。
⑩キャッシュカード詐欺盗(窃盗)
警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員を名乗り、「キャッシュカードが不正に利用されているので使えないようにする」などと言って、隙を見てキャッシュカード等をすり替えて盗み取る手口です。
特殊詐欺の被害状況
★令和3年の特殊詐欺の被害状況
・認知件数:14,498件
・被害額:282億円
(1日あたり約7730万円。1件あたり202万円)
※令和2年と比べると、認知件数は増加したが、被害額は減少。
(地域別の発生割合)
1位:東京3319件
2位:大阪1538件
3位:神奈川1461件
4位:千葉1103件
5位:埼玉1082件
6位:愛知874件
7位:兵庫859件
(種類別の発生状況)
1位:オレオレ詐欺(認知件数3085件、被害額90.6億円)
2位:預貯金詐欺(認知件数2431件、被害額30.6億円)
3位:キャッシュカード詐欺盗(認知件数2602件、被害額39.5億円)
4位:架空料金請求詐欺(認知件数2117件、被害額68.1億円)
5位:還付金詐欺(認知件数4004件、被害額45.2億円)