こんにちは!
海外移住して17年、海外で子育てを終え、
自由に生きている高見かなえです。
今日もお読みいただき、
ありがとうございます🌹
このブログでは、自由に生きるために
必要な条件である、
自分軸を持つこと、視野を拡げること、
そして心理的に自立することの方法を
お伝えしています。
ニュージーランドの歴史と、先住民マオリの世界観について、
6回にわたってお話しています。
今日は、その4回目になります。前回はこちら↓
今日も続きをお話します。
19世紀にニュージーランドに西洋人が入ってきて、
1840年には不平等なワイタンギ条約によって
ニュージーランドはイギリス王族のものになりました。
そして、先住民マオリにとって、
自分たちの言語であるマオリ語は、
1867年から120年間禁止されました。
学校で子供たちは、自分たちの言語を
一言話しただけで、体中から出血するほど殴られたり、
ひどい虐待を受けました。
作家のPatricia Graceは、マオリの子供たちに対して
学校で長年にわたって行われた、虐待について作品に書いています。
中には、あまりにもひどく体を打たれ、
学校から逃げ出して、そのまま死んでしまった女の子もいると
記事にも書いてあります。
学校でマオリ語が禁止されていたのは、
ほんの35年前まで続いていたんですね。
私の大学のクラスには、10人以上マオリの学生がいましたが、
(学生と言っても、10代から60代までいました。年齢は関係ないので)
クラスで、マオリの友達が、彼女のおばあさんに起こったことを話してくれました。
おばあさんは、マオリの名前だったんです。
それは、今でも珍しいことではありません。
彼女はフハナさんでした。
初めて彼女が学校に行ったとき、5歳か6歳だったと思いますが、先生に名前を言いなさいと言われて、自分の名前を答えただけで、ぶたれたんです。
彼女はどうしたらいいのかわかりませんでした。
もう一度、先生が名前を言いなさいと言ったので、フハナと答えると、またぶたれました。
彼女は泣きながら、途方に暮れて、窓の外を見ました。
窓の外には、デイジーの花が咲いていました。
また、先生が彼女に名前を聞きました。
フハナさんは、とっさに「私の名前はデイジーです」と答えました。
彼女は、もう、ぶたれませんでした。
その日から、彼女の名前はデイジーになったんです。
悲しく怖く、悔しい思い出とともに。
今の60代より上のマオリの人々は、そのような苦い思い出をみんな持っています。
学校で、友達とマオリ語で話したある少年は、学校が終わっても教室に残され、黒板に「私はもう二度とマオリ語を話しません」と100回書かされました。
こんな風に、あげたら、キリがないくらいの話をたくさん聞きましたし、本や資料もたくさん残っています。
世界の先住民たちは、言葉や文化を奪われ、家族を壊され、先祖代々の土地を無理やり奪われてきたんです。
植民地化される前は、ホームレスなんて一人もいなかったのに、無理やり土地を奪われた人々はホームレスになったんです。
何度も言うように、これは、世界中の先住民に起こったことです。
前回お話したように、現在、世界で主流になっている、西洋から来た価値観は、目に見えるもの、物質のみにフォーカスしたものの見方です。
自然を「モノ」「資源」「富」としか見られない狭い考え方ですね。
山や川や木に魂があって、名前もあると考えたら、モノとして所有することなんてできないと思います。
世界の飲料メーカーが、水源のある土地を買って、ミネラルウォーターをボトルに入れて販売していますよね。
その中には、色んな会社があると思いますが、一部のニュージーランドのミネラルウォーターのボトルは、よーく見ると、小さく、ザ・コカコーラ・カンパニーって書いてありました。
日本でも、水源のある土地を外国の人に買われていっていると聞きました。
日本の土地は、なんとか日本人によって守っていって欲しいと思います。
ここまで、ニュージーランドの歴史と先住民マオリの世界観についてお話してきました。
現在のニュージーランドでは、そんな歴史を見直して、マオリ語を公用語にしたり、少しずつ、マオリの人々の伝統や文化、世界観を認める動きが出てきています。
次回は、その中でも、政府にも認められている、マオリの世界観をもとにした、健康モデルについてお話します。
マオリにとっては、健康は、体だけのものではなく、心も、魂も、そして家族や先祖とのつながりを通して、過去や未来も含むものだという、宇宙全体が含まれる、ワンネスとも言うべき壮大な世界観に基づくものなんですね。
私たちは、体だけの存在ではなく、宇宙全体と、そして、すべての時間とつながる永遠のものだという彼らの価値観をご紹介します。
ここまでお読みいただきありがとうございました💕
これからも、価値観の違いや、心について、幸せについて、皆さんと考えていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
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参考記事
https://teara.govt.nz/en/te-reo-maori-the-maori-language/page-4
https://en.wikipedia.org/wiki/Patricia_Grace