先住民マオリの世界観② 破壊された先住民の価値観 ニュージーランドの残酷な歴史 | 【自由に生きる方法 】 高見かなえ

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考えることをやめた時点で人は自由を手放します。

私は常に檻の外にいたい。

そのために、楽しみながら考え続けます。

あなたにとっての「檻」はなんですか?

 

こんにちは、Kanaeです🌺

 

ニュージーランドの歴史と、先住民マオリの世界観について、3回にわたってお話しています。

 

今日は、その2回目になります。

 

前回は、ニュージーランドの先住民マオリも、ネイティブアメリカンや、私たち日本人と同じように、山や川や海、空、植物、鉱物など、自然のすべてに魂が宿っている、という世界観を持っているとお話しました↓

 

先住民には、土地や作物を所有する、という感覚もありませんでした。

 

でも、私たちが暮らす現代社会では、数千年前に始まった西洋の個人主義と支配、所有、競争の価値観が、世界で主流になっています。

 

一神教がベースになった西洋の個人主義は、今では、政治、経済、科学、教育、医療など、私たちの生活すべてに渡っています。

 

約200年前に西洋人の入植がはじまる前は、世界中の先住民たちは数万年続いた文化と価値観で暮らして来たのですが、植民地化政策によって、先住民のコミュニティや文化は徹底的に破壊されました。

 

https://teara.govt.nz/en/death-rates-and-life-expectancy/page-4

 

19世紀の植民地時代には、世界各地で先住民に対する侵略と迫害がおこなわれました。

 

ここで、これは、アメリカの先住民の、「ネイティブアメリカンの教え」より、先住民から見た、西洋人の侵略についての一節をご紹介します。

 

われわれインディアン(ネイティブアメリカン)が動物を殺すときには、その肉をすべて食べる。(骨も皮もすべて利用する。)

バッタのために原っぱを焼くときには、すべてを焼き払ったりしない。

 

木を切ってしまうなんてことはしない。既に死んだ木を使うだけだ。

 

だが、白人と言うのは、大地を掘り返し、木々を切り倒し、何もかも殺してしまう。

 

地球のスピリットがどうして白人を好きになることがあろう?

 

どこであれ、白人が触ったところは痛みとなるのだ。(「ネイティブアメリカンの教え」より)

 

これは、捕鯨、クジラを捕ることについても同じことが言えます。

 

今、日本が捕鯨を続けていることが、世界中から非難されていますが、まあ、それは正当化できることではないと私も思いますが、実は、19世紀ごろには、西洋人が、ニュージーランドもそうですけど、船の燃料として使う油を取るために、世界中で捕鯨をしていたんですね。

 

 

捕鯨は、もともと先住民も時々していたそうですが、ほとんど、海岸に打ち上げられた弱ったクジラを利用していたようです。そして、もちろん皮も骨もすべて利用していたんですね。

 

だから、西洋人が燃料の油だけを取るためにクジラを殺すのを見て、悲しかっただろうと思います。

 

そういう面から見ても、物質主義の残酷さ、野蛮さが際立っていると思いますね。

 

当時、ニュージーランドには捕鯨で栄えた港があったんですが、そういう仕事で来る西洋人たちは、社会の中では底辺の、教育を受けていない、下層の人々ですから、振る舞いがひどかったんですね。

 

ヨーロッパから持ち込んだお酒を大量に飲み、酔っぱらって騒いだり、先住民の女性を誘拐したり、暴力をふるったり(レイプ)したりして、治安が非常に悪かったので、当時、その港は、他の国からも「太平洋の地獄の穴」と呼ばれていました。

 

西洋人が来る前のニュージーランドのマオリの人口は、1769年に約10万人だったのが、約130年後の1896年には4万2千人まで減りました。一番少ない時は、3万9千人でした。

 

非常に効果的な人口削減ですよね。

 

まさに、これがジェノサイドです。

 

(ちなみに、世界で最も効果的だったジェノサイドは、二つの原子爆弾投下によって約14万人の日本人が殺されたことですね。)

 

激減したマオリの人口とは対照的に、白人の人口が激増しました。

 

Māori and European population numbers, 1838–1901

https://nzhistory.govt.nz/media/photo/maori-and-european-population-numbers-1838%e2%80%931901

 

植民地化政策から始まった差別や不平等は今も続いており、現在も、白人に比べて、先住民の健康や精神に問題を抱える人の割合や、貧困率が高いというデータにも表れています。

 

西洋人が来てから、キリスト教の布教が始まり、それまでの先住民の暮らし方や考え方は良くないと言って、子供たちを無理やり家族から引き離して寄宿舎の学校に入れ、きびしく教育しました。

 

そして、彼らの伝統や文化、言語が次の世代に伝わらないようにしたんです。

 

https://teara.govt.nz/en/te-reo-maori-the-maori-language/page-4

 

続きは、また次回にします。

 

次回は、マオリの友達に聞いた話をしますね。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました💕

 

これからも、価値観の違いや、心について、幸せについて、皆さんと考えていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 

 

 

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