こんにちは、Kanaeです。
今日は、浮気と見捨てられ不安についてお話します。
浮気や不倫だけが原因とは限りませんが、現代は結婚、恋愛、パートナーシップがうまくいかずに悩んでいる人が多いと言われています。
別れてしまった人に限らず、今恋愛中の人、結婚している人でも、いつまでも良い関係を続けるには、苦労されている人がほとんどではないでしょうか。
3年前、心理学の講義で、年配のカウンセラーの講師が、昔のクライアントの話をしてくれました。
クライアントは40代の男性ですが、自分は妻と別れたくないし、傷つけたくないのに、浮気を繰り返してしまい、どうしたらいいか分からない、という内容でした。
その先生とカウンセリングを繰り返していくうちに、彼は3歳くらいのときに母親に虐待されていたことを思い出したそうです。彼の両親はその後離婚し、母親は出ていった、ということでした。
愛着理論 (Attachment theory)としても知られていますが、小さい時に一番身近な大人(主に母親)と安心した絆が築けていないと、満たされない感情が残り、その後の人間関係、特に関係の近い恋愛やパートナーシップに影響を及ぼします。
見捨てられ不安も同様に生じます。アダルトチルドレンや、何らかの人格障害を持つ人も、見捨てられ不安があることも多いでしょう。
浮気を繰り返す人、次から次へと恋愛対象の相手を変え、誰かがいないと不安な人に多くこの傾向が見られます。
下に見捨てられ不安のある人の傾向を8つあげました。下記のすべてにはあてはまらなくても、3項目以上当てはまったら、可能性があると考えていいでしょう。
1. 自分のパートナーを完全に信頼できない。
2. 浮気を繰りかえしてしまう。
3. 相手を自分の思い通りに支配しようとする。
4. 相手に非現実的なほど長い時間を一緒に過ごすことを要求する。
5. 相手に尽くしすぎてしまう。
6. 相手の長所より短所に目がいってしまう。
7. 仕事の同僚やクラスメートなど、相手の周りにいる異性に過度に嫉妬する。
8. 恋愛関係が終わると耐えがたい孤独を感じ、すぐに次の相手を探そうとする。
見捨てられ不安のある人は、意識的、または無意識的に「自分はいつか捨てられる」と信じているので、相手を完全に信じることができません。いつも感じている強い恐怖のため、捨てられたときのために他の相手を探してしまいます。
また、小さい時に親に自分を見てもらえなかった、受け入れてもらえなかったという無価値観と承認欲求から、自分が異性を惹きつけることができる、ということにに大きな価値を見だしてしまいがちです。
捨てられる恐怖は本人は無自覚でも、ものすごく強いので、本人が望んでいなくてもこういった行動をしてしまい、自分も相手も傷つけ、どの相手ともうまくいかず、苦しみ続けることになります。
パートナーとの関係は、幼少期の親との関係の投影の場合が多いのです。ただ愛されたい、受け入れられたい、安心したいという欲求がいつまでも満たされず、同時に「自分は愛される価値がない」と信じているのです。
では、どうすれば見捨てられ不安を克服することができるのでしょうか?
上にあげた、私の心理学の講義の中のクライアントの例でいうと、まずは彼の行動と見捨てられ不安は、幼少期に母親に虐待されたこと、そして母親が自分を捨てたことからきている、と気づけたことが重要な第一歩です。
そして、そこから生まれた自分の中の、無意識の信念(belief system, core-belief)に気づいていくことです。
大事なのは、そのとき彼は子供だったので、子供の考え方をしていたことです。例えば「ママは僕がいい子じゃなかったから僕を捨てたんだ」「どうせ自分は捨てられる人間なんだ」などです。
大人になって考えてみれば、そういう思考や信念は事実ではなかったことが分かります。彼が虐待されたり、両親が離婚したのは、彼が悪かったからではありません。つまり、彼が愛される価値のない人間だ、という信念は間違っていた、と気づけるようになるのです。
そうして徐々に自分の行動や感情に責任を持てるようになり、人生が生きやすくなっていくでしょう。
講義では、クライアントが、今の問題が幼少期のトラウマからきていることに気づけたことが大切だ、というところまでの話でしたので、その後彼がどうなったのかは分かりません。
ただ、個人的には、浮気を繰り返す人と一緒にいる人にも、なぜ裏切られても一緒にいるのか、その理由があると思います。
良い悪いとか、別れるべきだと言っているのではありません。経済的な理由もあると思いますが、それ以前に心理的な理由があるはずです。
一般的に、無価値感を抱えた人は同じように無価値感を持った人を惹きつけます。
相手が浮気をする人でも、その人と一緒にいることによって、自分の価値が上がるような気持ちを得ていることもあると思います。
自分を傷つける人と離れないのは、相手を愛しているからではありません。本当に愛していたら、「どうぞあなたの好きな人のところへ行きなさい」と言えるはずです。
別れないということは、「私は傷つけられるに値する人間だ」と信じているのと同じことです。
今、結婚している人、恋愛中の人も、自分は一人でも大丈夫と思えることが感情的に健康な関係だと思います。
お互いが一人でも大丈夫だけど、今一緒にいたいからいる、と言える関係が理想ではないでしょうか。
参考記事
Positive Psychology. (2019). Attachment Theory. Retrieved from
https://positivepsychology.com/attachment-theory/
Lifehack. (2019). Fear of Abandonment. Retrieved from
https://www.lifehack.org/749779/fear-of-abandonment-signs-and-ways-to-overcome