宮崎県は加工向け大根の出荷量日本一。
2021年2月に日本農業遺産に認定されました。『宮崎の太陽と風が育む干し野菜と露地畑作の高度利用システム』『田野・清武地域の干し大根(大根やぐら)』
設計図はなく、知識と経験と技術を頼りに組み上げる『大根やぐら』は約300基(田野地域約250基・清武地域約50基)が立つ。
1960(昭和35)年頃、鹿児島県の大根やぐらを参考に建てられ、気候や風土に合わせて改良したのが、現在の大根やぐらと言われています。
栽培に適した土壌や鰐塚おろしと呼ぶ北西の風が大根の乾燥に適していたことから鹿児島県のたくわん業者が適地として注目し、たくわん用大根の栽培を広めました。
1966(昭和41)年には「道本食品」が干したくわんの製造を開始。1973(昭和48)年にはJA宮崎中央の工場が完成、スーパーの全国展開により市場が拡大。1970〜90年代前半は計約900基が立ったそうです。
ちなみに千切り(切り干し)大根生産量日本一も宮崎県。収穫後の田畑に、10cm前後に千切りされた大根が50〜100mの千切り棚に広げられ、天日で乾燥されています。これまた圧巻の冬の風物詩。1897(明治30)年頃、愛知県から宮崎県に移植され、同時に千切りの技術も伝えられました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240206/21/kanachan0202/f0/c5/j/o0810108015398366053.jpg?caw=800)
大根を架ける横棒が10段、高さ6.5m。横の長さは50m~150m超で畑の広さや一度に干す大根の量などで農家が任意に決めています。
組み立ては毎年11月頃に行い、約1週間で杉を支柱に、専用のバンドで固定して組み上げています。材料は、主に杉丸太と竹。高さが約6mと長さ約90mで約300本使います。
大根の収穫が始まる12月初旬頃から干し始め、2月下旬頃まで続けられ、最後の大根が干し終わると解体されます。
品質の低下を招くため、降雨時と気温0度になるような時はブルーシートで覆い雨や寒さをしのいだり、やぐらの中でストーブを焚いたりして干し大根が凍るのを防ぎます。なので雨の日は見ることができません。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240206/21/kanachan0202/77/49/j/o0810108015398366069.jpg?caw=800)
大根をそのまま干すのではなく洗浄、2本の大根を麻紐で葉の部分をゆわえて結束。大根やぐらに持っていって、トラックから2本の大根をカギのついた棒に引っかけて、やぐらに上った人に渡し、それを架けていく。大根約2kg✕2万本だと4トン。約1千本ずつ干していき、約2週間干したら県内外の漬物工場に出荷。やぐらが空いた分を収穫して干すという重労働を繰り返します。
大根の葉を残したままやぐらに掛け天日干しすることで、収穫後も3〜4日の間は光合成が行われます。水分が完全に抜けることで1kgが300〜400gと1/3程の大きさになります。鰐塚山系から吹く冷たい西風と、日照時間の長い天日で干した大根は辛みが抜けて甘く、ポリポリとした食感のたくあん漬けになります。
秋冬に使用された大根畑は春夏はタバコの葉や里芋や甘藷(かんしょ)などが作られます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240206/21/kanachan0202/e2/13/j/o0810108015398366084.jpg?caw=800)
田野町「渡邉酒造場」無濾過旭萬年
「道本食品」日本の干しだいこん
日本初の商品化に成功したたくあん缶詰は約20枚、賞味期限は3年8カ月と保存食として防災グッズにもオススメ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240206/21/kanachan0202/c2/b1/j/o0810108015398366162.jpg?caw=800)
宮崎あるある情報
9年目のライトアップは、1月14日までの18〜22時でライトアップ開始は毎年ニュースで取り上げられています。空港から乗り込んだタクシー運転手が田野町に入ると確かこの辺りって進んでいきます。まず案内看板がない。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240206/23/kanachan0202/7f/ed/j/o0810108015398410291.jpg?caw=800)
あったと思ったら
☆ちなみに情報
ライトアップイベントについて、鹿児島県錦江町では2009年から年末2日間だけ開催されています。大根やぐらは宮崎県だけではなく、鹿児島県南九州市や知覧町から頴娃町で立てられています。
竹の生産量日本一は鹿児島県、熊本県、大分県。宮崎県は沖縄県に続きワースト2位です。そんな宮崎県には日本唯一の竹家具専門店があります。都城市の竹刀や竹籠や日之影町のかるいなど昔ながらの竹製品は地元で必要なだけ刈り取って製品化しています。
お高いなぁと気になっていた延岡メンマ。
放置竹林の問題の解決につなげようと、通常だと安い値段でしか売れない1〜2mほどに育った竹を市場価格の約2倍の値段で買い取りメンマを生産しています。ラーメン具材のメンマ。その99%以上が、台湾や中国に生息する麻竹(マチク)という品種のタケノコを使用しています。延岡メンマは、延岡に生息する孟宗竹(モウソウチク)を使用した国産100%メンマです。
秋冬に使用された大根畑は春夏はタバコの葉や里芋や甘藷(かんしょ)などが作られます。
12月の土産、ぱっと見タバコですが
宮崎チャバコ。コンセプトは『世の中を、茶化そう。』
開発・販売は静岡県「ショータイム」でタバコ風の見た目の粉末スティック茶商品。九州各県や静岡県や埼玉県などお茶の産地版あり。ペットボトルと湯か水があれば完成するのが嬉しい。販売は自動販売機風です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240207/21/kanachan0202/8c/51/j/o0810108015398748898.jpg?caw=800)
宮崎県版は県内最大の茶園面積の東京ドーム約一個分を誇る都城市「大石製茶」で緑茶と白折茶の2種類。緑茶とは、茶葉を発酵させずにつくった茶葉を指します。煎茶も玉露も、かぶせ茶も、緑茶を熱で焙じるほうじ茶も含めて日本茶全般の総称。白折(しらおれ)とは、チャノキから採れる茶葉の柄や茎の部分を使って作られる緑茶。
各都府県のお茶(荒茶)の生産量は静岡県、鹿児島県。今後は鹿児島が一大生産地になりそうです。宮崎県は4位です。
生活スタイルや食生活の変化や少子超高齢社会の影響を受けているだろうアルコール類や漬物や茶。らっきょうの個包装を購入してから、漬物について調べていた。土産で大根1本は買わないし、家には包丁もまな板も密閉容器もないし、タクワンやらっきょうを食べる食生活は送っていない。洒落たカレー屋では福神漬やらっきょうは添えていない。興味津々で色々と調べていく中、大根やぐらを実際に見て知ることができて本当に良かった。