ドラマの会話を抜粋し、解説しています。
ネタバレにご注意ください
前回からシーン から
公爵との夕食会ではメアリーの妹イーディスが騒いで終わります。
ちなみに屋敷によってルールは違うようですが、
クローリー家の場合、夕食会は8時から、
9時頃、食堂から応接の間に移動して談笑、
それが終われば部屋に戻って部屋着に着替え。
ダウントンアビーの使用人らはそれに合わせて食堂の片付けからお着替えの手伝いまでをし、その後食事となると10時半頃のようです。
お昼から時間がかなり開くので使用人らにはお茶の時間や休憩がありますが、朝から晩まで1日中ご一家の為に体は空けています
他のお屋敷では貴族の夕食前に使用人が食事を取る場合がありますが、
仕事を全て終えてからゆっくり仲間と談笑しながら夕食か、
早く夕食食べたいか、は人の好みに分かれるようです。
いずれにしても朝6時〜10時半までの週7日就業はブラック過ぎですが
(右端にいるトマス) あとどのくらいかかりますかね?お腹がすきましたよ。
(in the middle) Carson: Have you settled the ladies?
(真ん中にいるカーソン) 奥様方へのお世話は終えたか?
・settle は人を落ち着かせるという意味もあり、ここでは話の流れから(食堂で一悶着あった後、)応接の間に移動後、ご談笑中できるようなったところまで従僕としてお世話したか的な意味合いのようです。
Thomas: Yes, Mr Carson.
はい、カーソンさん。
Carson: Then it won't be long once they go through.
そうであれば、(落ち着きさえすればいつも通りなら)応接の間に移動すればもう間もなくだろう。
・go through は go through a door to another room的な意味のようです。
ここでキッチンメイドのデイジーが話します。
Daisy: Do you think he'll speak out? Do you think we'll have a duchess to wait on? Imagine that!
公爵は(プロポーズの言葉を)おっしゃると思います?公爵夫人に給仕することになるのかしら?すごいわ!
・speak outは自分の気持ちや意見をはっきり口にするとこ、公言すること。
・wait on ここでは貴族の食事や身の回りのことを給仕すること。なのでこういった時代劇ではよく使われます。現代では貴族に限らず、レストランで給仕するでも使われたりします。
・imagine that! はびっくり、など驚きを表す時に使われるフレーズ。
デイジーの言葉に料理長はバッサリと、
お前が給仕することはないよ、何があってもね。
キッチンメイドは働けなくなるまでキッチンで働き続けると示唆する、イギリスの階級社会を示す言葉です
Carson: There's no reason why the eldest daughter and heiress of the Earl of Grantham should not wear a duchess's coronet with honour.
伯爵のご長女でご相続人である方がその栄誉と共に候爵夫人のコロネットを身に着けても何らおかしくはない。
・coronetは戴冠式の王冠以外にも髪飾りのような形も指しますが、公爵夫人だと以下のような形になります
相続人ですって、カーソンさん?決定したの?
そうなるはずだ、この世が正しければ。
Hughes: Well, we'll know soon enough.
そう、まあほどなくわかるわね。
・soon enough は他の言い方だと遅くはなくなど。
少しシーン飛んで、カーソンが使用人にベイツについて連絡をします。特に片側にいる悪巧みする二人、オブライエンとトマスを見ています
Carson: Mr Bates is leaving without a stain on his character. I hope you all observe that in the manner of your parting.
ベイツさんはそのご人格に一点の曇りなく辞める。挨拶する際にはそのことをしっかり踏まえて欲しい。
・character は登場人物以外にも、他の人と比べた精神・志しなどの様々なものが合わさった特徴、そこから性格・人格という意味や、もしくはものの性質などもあります。
ここで人の良い働き者ウィリアムが意見を言います。
あの、なぜベイツさんが辞めさせらるのかがわかりません。僕はちょっとくらい仕事が増えてもかまいません。
・has to go は(ここダウントンアビー)離れなければいけない=解雇させられた。
Thomas: It's not up to you. (to Carson) I'll take care of His Lordship, shall I Mr Carson?
それはお前が決めることじゃない。(カーソンに向かって)私が旦那様のお世話をするということで、いいですか、カーソンさん?
付加疑問文でwon't I (ですよね?)だと少し上から目線に聞こえるので、shall I (でいいでしすか?) に変えているようです。
Carson: Not while you're looking after the duke, you won't. I'll see to His Lordship.
公爵のお世話をしている間は駄目だ。私がお世話する。
・see to は基本は何かに必要でやること、対処することが人に対してはお世話や面倒をみること。
この後、アンナがベイツに食事を部屋まで持っていきますが、泣いているベイツにショックを受けます。
シーン変わってクローリー家の食堂。ロバートとクロウバラ公爵は食後の葉巻を吸っています。
Robert: We must go and let the servants get in here.
ここを出よう、使用人達が(片付けるのに)入ってこれない。
Crowborough: I should be grateful if we could stay just a little more. I have.... I have something to ask you.
もう少しだけいれませんか…お尋ねしたいことがあります。
座りなおすロバート。
Crowborough: I was terribly sorry to hear about your cousins.
ご親族(ジェームズとパトリック)のことは心からお悔やみ申し上げます。
ええ。二人とは面識が?
・you said はここではフレーズで、相手の言葉に同意する時に言います。
Crowborough: Not well. I used to see Patrick at the odd thing. I imagine it will mean some adjustments for your... to lose two heirs in one night is terrible.
あまりなく。パトリックとは時折顔を合わせたくらいです。今回のことは貴方にとって結構な転換だとお察しします…一夜で二人も相続人を失くすのはお辛いことだと。
・odd はここではoccasional。
・see は会ったにも見ただけにもどちらにもなります。
Robert: Indeed, it was terrible.
おっしゃるとおり、辛いことだ。
Crowborough: Awful. But then, again, it's an ill wind. At least Lady Mary's prospects must have rather improved.
むごいことだ。でもそこから、災い転じてというか。例えばレイディ・メアリーへの相続が
・but then (again)はあることに対して二つの異なる見方(良い点・悪い点)を伝える時に挟んで使う言葉。〜でもあり、〜でもある。
例文) I agree she types accurately, but then again, she's very slow.
(彼女のタイピングが正確なのは認めるが、一方でかなり打つのが遅い。)
・it's an ill wind (that blows nobody any good ) は省略されてit's an ill windだけで使われ、諸説ありますが、航海において、ある人の船にとって酷い風(逆風)は他人の船では追い風となる、で災い転じて福となすに似ているようで、it's an wind は二人の人間の対比なので結構違います。
・prospectsは今後起きることへの可能性から、成功や見込み、ここでは相続。
Robert: Have they?
そうですか?
Have they (Mary's prospects) rather improved?の略。
Crowborough: Haven't they?
違うのですか?
Robert: I will not be coy and pretend I do not understand your meaning, though you seem very informed on this family's private affairs.
貴方の意図することを言わずわからない振りはやめます、それにしても当家の事情によく通じているようですが。
But you ought, perhaps, to know that I do not intend to fight the entail. Not any part of it.
ですがこれは知っていた方がいいでしょう、私はこの嗣子相続に抗うつもりはない。これっぽっちも。
・coyは意図的に秘密にすること、わざと隠すこと。
・affair ここでは対応している事、状況。
Crowborough: You can't be serious.
本気ですか?
Robert: It pains me to say it, but I am.
言い難いが、そうです。
Crowborough: You will give up your entire estate... your wife's money into the bargain... to a perfect stranger? You won't even put up a fight?
全所領を諦めると…更には奥様方の財産まで…赤の他人に?挑むことさえしないと?
・into the bargain は何かに加えて。
Robert: I hope he proves to be perfect, but I rather doubt it.
相続人が文句なしの者なら望ましいが、怪しいものだ。
Crowborough: Ha. A very odd thing to joke about.
はは、おかしなことをおっしゃる。
Robert: No odder than this conversation. So, there you have it. But Mary will still have her settlement, which you won't find ungenerous.
この会話よりはおかしくはないでしょう。では(聞きたいことは)これで十分かと。それでもメアリーは(私から)財産を相続します。貴方にとって悪くはないくらいの。
・there you have it はこれで十分でしょう、的に説明や話を切り終える際に言うフレーズ。
グランサム伯爵の言葉に伯爵は妙な顔を作ります。
…えっと、どういうことです?
Robert: I only meant her potion, when she marries will be more than respectable. You will be pleased, I promise.
つまり言わんとするのはメアリーの取り分です、結婚すればかなりのものになるでしょう。ご満足させるかと、必ず。
・respectable は立派な以外に、満足できるくらいの大きな額、という意味などもあります。
Crowborough: Oh, heaven's. I, I hope I haven't given the wrong impression.
ああ、なんということだ。勘違いをさせてしまったようだ。
Robert: You know very well the impression--
そのつもりだったのだー
Crowborough: My dear Lord Grantham --
親愛なるグランサム伯爵ー
Robert: Don't "my dear Lord Grantham" me! You knew what you were doing when you came here. You encouraged Mary, and all of us thinking --
何が親愛なるだ!ここで何をしてきたかわかって。メアリーをその気にさせ、我々にも思わせー
Crowborough: Forgive me, but I came to express my sympathies and my friendship, nothing more. Lady Mary's a charming person. Whoever marries her will be a lucky man. He will not, however, be me.
お許しを、ですがお悔やみと寄り添う気持ちを伝えにきただけで、それ以上ないです。レイディ・メアリーは魅力ある方だ。彼女と結婚する男は幸運でしょう。しかしながら、それは私ではない。
わかりました。それでここに残って聞きたかった質問は一体何でしたか?
Crowborough: …I forget.
…忘れました。
から続きが読めます。