ドラマの会話を抜粋し、解説しています。

ネタバレにご注意ください注意
 
今回は少しだけ聞き取りづかった一部発音にも触れます。
 
前回からのシーン から下矢印

 

ロバートと別れたクロウバラ公爵は一人、2階の部屋に行こうします。

 

柱の陰に潜んで待ち伏せていたメアリーが声をかけます。

Mary: Aren't you coming into the drawing room?

      応接の間にいらっしゃらないの?

 

Crowborough: I'm tired. I think I'll just slip away. Please make my excuses.

疲れたからおいとましようかと。皆様にお詫びをしておいてもらえるかな。

 

Mary: I'm afraid I've worn you out. Tomorrow,we can just ---

   私のせいかしら。それでは明日はー

 

Crowborough: I'll leaving in the morning. Good night. 

       朝にはここを出るよ。おやすみ。

 

驚くメアリー。

そんなメアリーに背を向けてとっとと部屋に向かおうとしますがお願いがあって止まります。

 

Crowborough: ---Oh, you might tell that footman. 

       ーああ、伝えてもらえると、あの従僕…。

 

Mary: Thomas.

   トマスです。

 

Crowborough: Thomas. You might tell him I've gone up.

       僕が上に上がったと伝えてもられば。

 

tell himhimhが省略され、

 tell(i)m 的に言っているようです。

 

クロウバラ公爵はさっさとその場を離れます。

 

一部始終を隠れ聞いていた妹イーディスが現れ、メアリーに辛辣なコメントをしますが、気高い姉は噛みつき、一人応接の間に向かいます不安

 

 

 

シーン変わって、クロウバラ公爵の部屋。
 
従僕(footman)のトマスが公爵のお世話をしますが、これまでと少し態度が違います。

 

Thomas: I don't believe that.

    そんな馬鹿な。

 

英語だとわかりにくいかもですが、従僕のトマスは王族と同等か次の地位の公爵にかなり砕けた言い方、英語もストレートな表現で、Your Grace を語尾につけないなどしており、階級社会において不敬に当たります。

 

Crowborough: Well. Believe what you like. He won't break the entail. The unknown cousin gets everything. Mary's inheritance will be the same as it always was.

なら、好きに考えればいい。伯爵は嗣子相続制をなくす気はないと。よく知りもしない親戚が全てを得るんだ。だからメアリーの相続は前のままだ。

 

Thomas: And how was I to know when the lawyer turned up? I thought---

    弁護士が来たからって俺にそこまでわかるものか。てっきりー

 

how was I to know は熟語で、間違いや何かやらかした時に、十分な情報がなくて結果そうなっただけで、自分のせいじゃないです。

 

日本語でいうと、わかりようがなかった、仕方なかった、どうしようもなかった、だから責めないでよ、と相手に伝えたい時に使う表現。

 

クロウバラ公爵は話を聞きながら自分で酒をグラスに注ぎます。

それも従僕の仕事ですが二人とも何もその事について触れません。

 

ここで貴族と使用人の関係性に詳しい人は一体どういうことだと想像するでしょう。

Crowborough: You weren't know. You did the right thing to telegram me. It's just not going to come off. 

      知る由もないさ。あの電報は当然の判断だ。あては外れたが。

 

・going toは発音はくっついてgonna。

 

・come off はここでは期待していたことが成功すること。予定が計画通りにいくこと。

come off には色んな意味があり、

go=行く off=離れることがなぜ成功なのかは、諸説ありかと思いますが、その一つに(当時性能のそう良くもない)猟銃を上手く撃てた(弾が暴発することもなく銃から離れるだけじゃなく、獲物の所にまで飛んで(comeして)仕留めれた)ことからだとcome offのイメージつくのではないでしょうか。

 

ここでトマスが用事があると言いって誰に電報を打っていたのか、公爵が情報通だったのかなどが一気にわかります驚きハッ

 

Thomas: So what now?

    で、これからどうする?

 

Crowborough: Well, you know how I'm fixed? I must have an heiress. If it means going to NY to find one.

そうだね、僕の立場はわかっているだろう?遺産相続者を得なくてはならない。そのためにはニューヨークにだって行くさ。

 

I'm fixed は何かしらの状態から自分の意思では変われないことで、結婚する予定や、忙しくて雁字搦めな状態、ここでは公爵の地位をさします。

 

・must have の発音は二つをくっつけてmustaf。そこからここではanもくっついて

musta(fa)n 的に言っているようですが、その後のheiress[ˈeə.res]を強く言っているのでかなり弱く聞き取りにくいです。

 

・mean going の mean verb(動詞)+ing から、結果を出すためにverbする必要がある・verb(動詞)をすることになっても。

 

Thomas: What about me?

     俺はどうなるんだ?

Crowborough: …You. You will wish me well.

              …おまえ、おまえは私の成功を願ってくれ。

 

 

Thomas: You said you'd find me a job if I wanted to leave.

    辞めたくなったら仕事を見つけてくれると言っていたのは?

 

You'd dの発音は結構聞き取れないです。

 

 

Crowborough: Do you?

       辞めたいのか?

 

Do you?  ここはイントネーションがポイントで、疑っている言い方で、本当にそう思っているのか?そうかな?と相手に確認するときに使う表現。

 

Thomas: I want to be a valet. I'm sick of being a footman.

     従者になりたいんだ。従僕はもう嫌だ。

 

Valet は男性につく専属の世話役。給与だけでなく、Mr がついて使用人間で尊敬される地位になります。

 

Crowborough: Thomas. I don't need a valet. I, I thought you were getting rid of the new one here.

トマス。僕は従者はいらない。その、ここにきた新しい従者を追い出すんじゃなかったのか?

 

Thomas: I'll have done it. But I'm not sure Carson'll let me take over. I want to be with you.

そうなる。でもカーソンが俺にさせてくれるかどうか。…君といたい。

 

ここで昼ドラ的な展開が起きます。この時代のイギリスではそれは刑務所行きですが、なんやかんや隠れて起きていることのようです。

Crowborough: I just can't see it working, can you? And we don't have the basis of a servant-master relationship?

うまくいくとは思えないよ。そうだろ。それに僕らは主従関係ではいれない。

 

Thomas: You came here to be with you.

         俺に会いに来たんだろう?

 

Crowborough: Among other reasons. And one swallow doesn't make a summer.

それだけで来たわけじゃない。(会いにきたというだけで)早計だな。

 

among other reasons は一つの理由だけでは決めかねたことを複数のことを加味して決めたこと。

 

・one swallow doesn't make a summer は燕が晩春に一羽現れたからといって夏の訪れを告げるわけではないから、いいとこが一つ起きたからといって状況がよくなるわけではない。

 

 

ここでトマスの態度が少し変わります。

Thomas: Are you forgetting something?

     何か忘れていないか?

 

Crowborough: What? Are you threatening me? Because of a youthful dalliance. A few, a few weeks madness in a London season. You wouldn't hold that against me, surely?

何が?脅してるのか?若気の至りからくる火遊びという理由で?ロンドンシーズンでの数週間の気まぐれだ。それで僕に脅すなんて、気は確かか?

 

dalliance [ˈdæl.i.əns]は長く続かない一時の恋・または肉体関係。

 

・wouldn'tはほぼwud(n)でnは飲み込むようにいってhold まで繋げて言うのでかなり聞き取りにくいです。

 

・hold something against me は相手のやったことを悪いことと判断したり、やったことを非難したりすること。

Thomas: I would if I have to.

     必要あれはするさ。

 

ififIをくっくけてifai言っているようです。

 

Crowborough: And who'd believe a greedy footman over the words of a duke? If you're not careful, you'll end up behind bars.

公爵よりも欲深い従者の言うことを誰が信じるんだ?下手をすると刑務所行きだぞ。

 

behind bars 刑務所に収監されるとたくさんのバーの後ろに置かれます。

 

Thomas: I've got proof.

     証拠はある。

 

その言葉を待っていたかのようにクロウバラ公爵は手紙の束をトマスに見せます。

Crowborough: You mean these?

       これのことかな?

 

メアリーとの屋根裏への探索は、手紙が目的でした。トマスが何をするか気づいて手を打てる賢さはあるようです。

 

トマスは取り返そうとしますが、公爵は素早く手紙の束を暖炉に投げ込み証拠は消えます炎

 

Crowborough: You know, my mother's always telling me, never put anything in writing. And now thanks to you, I will never again.

ねえ、母にいつも言われてるよ、紙には何も残すなって。そして君のお陰で、今後は絶対にしないよ。

 

・ in writing は書面にすること。

 

 

Thomas: How did you get that. You bastard.

        どうやって取った、この野郎。

 

basterdは落し胤(庶子)という意味もありますが、男を罵る時にいう言葉で使われます。

Crowborough: Don't be a bad loser. Thomas. Go to bed. Unless you want to stay.

諦めろ。トマス。部屋に戻れ。ここに残りたいなら別だが。

 

don't be a loser は負けると誰しも怒り興奮するので、それをなだめる時に言う言葉。

 

公爵の言った通りただの火遊びだったので、お互い利用価値がなくなると酷いことも平気でし合っています不安悔しがるトマス。

 

今日はここまでです。少しでもダウントンアビーの英語理解の役に立てれば幸いですニコニコ

 

続きはこちらからも見れます下矢印