あの日のままの小学校がそこにあった。


キャンプへ向かう途中、訪れた町。


四年生のたった1学期を過ごしただけの場所。
懐かしさと共に甦る心残りがある。


図書室で出会ったムーミンの2冊の絵本は
全て読み終える事が叶わなかった。


クラスの友達とやっと馴染み始めた頃に
再び転校した寂しさ。


心の忘れ物が今も涌蓋山の懐にある。


小学校から約20分程車を走らせ、
阿蘇小国のキャンプ場へ向かう。


秋色に染まる坂道を谷へと下ると
「阿蘇レインボーバレーキャンプ場」へ到着。


受付を済ませ、サイトを選んだ。


サイトに車を残し、
先ずは谷に降りて紅葉狩り。


赤い落ち葉で埋まった川縁の小径を進む。


苔むした岩や湿った足元に気を付けながら、
川の上流を目指す。


「出会いの滝」を過ぎて、更に歩くと


「カッパ滝」に到着。


虹が出ている。


この時期の晴れた午後にしか見られないらしい。


横の小さな滝にも虹が見える。


ここまで来た甲斐があった。


しばし、佇む。


長居せずに立ち去るのは惜しいが、
テント設営がまだなのでやむなく引き返す。


サイトに戻り、テント張り開始。


今回はテンマクデザインの炎幕テント。


ここにも虹が(笑)


設営を終えたら、キャンプ場内の
カフェ「楓の木」へお邪魔する。


テラス席に座り、
自家焙煎珈琲とチーズケーキを注文。


目に写る秋の彩りを楽しみながら、
美味しい季節のスイーツに大満足。


店を出て、川の下流の遊歩道を散策する。


平らな川底の特殊な地形らしく、
夏場は川滑りで賑わうみたいだ。


今夜は冷え込むらしい。


防寒対策でテントのスカートに落ち葉を被せる。


日の入りにあわせて、焚き火台に火入れ。


吊り下げヤカンが真っ黒になっていく。
帰ってからの煤落としが大変だが、
見た目楽しいから許す(笑)


今夜は「味噌ラーメン」と「えびピラフ」


尾西のお湯さえあればなんとかなる晩御飯。


美味しく身体を暖める。


食後は「かぼすチョコ」を摘まむ。


長者原で買ってたサブレも。


孤独を愛する夜が更けてゆく。


21時就寝。

























4時起床。


焚き火の着火材は巨大松ぼっくり。


外気温度6℃。


小国町の「chle's  coffee」の珈琲を淹れる。


白々と谷間の夜が明けてゆく。


この谷に色彩の世界が帰ってきた。


焚き火の温もりから離れられない(笑)


辺りがようやく明るくなったので朝食準備。


今朝は「北海道シチュー」と
ベーコンチーズのホットサンド。


ホットサンドのミーが睨んでる(笑)


朝食を終えたら、片付け開始。


暖かな太陽が現れ、キャンプ場を照らす。


太陽の恵みに感謝しながらお片付け。


作業の合間に高千穂茶とクッキーで休憩。


無事テントの乾燥を終えて、撤収完了。


気持ちの良いスタッフさんに見送られて、
虹の谷を後にした。


帰り道は「宝泉寺温泉」に立ち寄った。


丁度開いてた「山光園」さんにお邪魔する。


内湯と露天風呂それぞれにゆっくり浸かる。


この辺りに住んでた小四以来の優しいお湯に
冷えた身体と旅の疲れが癒された。


「今日はいい日だったかい?」


この町に置き去りになってた想い出が
新たな喜びに変わった気がするカムイである。












涌蓋山が見えるキャンプ場↙️