虫の声に囲まれて、暗がりの中でその時を待っていた。



20時を迎え、前方の山の中腹に火が灯る。



夏の終わりを告げる火祭りの「王の字」が浮き上がる。
藁で作った松明が勢いよく燃え上がっている。


江戸時代の大火災をきっかけに始まった望月地区の火伏せ行事で、約300年続くらしい。



望月地区の立石山には火除けの神様の「秋葉様」が祀られていて、「龍王」の水の力も借りる願いを込め、献灯したと伝わっている。



燃え尽きていく王の文字を見届けながら、晩夏を見送ったカムイである。