北軍蜂起の理由 | 風紋

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鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

論理だてた思考というのが苦手で、ミステリ好きにもかかわらず犯人あてや
謎解きなんかはからっきしダメなかもとですが、「約束の日」直前のこの
混乱のうち、北軍に関してだけはどう動こうとしているのかわかったような
気がします。


なぜか昨日突然思いつきました。
セントラルでのクーデターでマスタング組は大佐以外は私服で殺さずの姿勢
なのに北軍は軍服で思いっきり戦闘態勢なのはなぜだろうと考えてみたら、
それはきっと正義をこちらへと引き寄せられると確信しているからだと。


ホムンクルスとの戦いとか国家練成陣などという、にわかには信じがたい
話は、たとえ真実であっても北軍のセントラル侵攻の理由としては一般市民
に受け入れられないでしょう。
しかし、中央軍部の上層部が腐敗していてアメストリスを売り渡そうと
しているということはホムンクルスの件を持ち出さなくても市民にすでに
明らかにされてる事実があります。
コミックス19巻末から20巻はじめにかけての対ドラクマ戦。
あれは一般市民にも当然知れたはずの国の危機でした。


プライドの指示でキンブリーが内通とみせかけてドラクマの将軍を謀り、
宣戦布告させブリッグスの猛反撃でみごと血の紋を刻んだあのとき。
ドラクマの将軍は瞬殺された自軍に愕然としながら
アメストリス上層部の何名かは我々が攻め込んだらこちらにつくと
何年も前から計画していた!! なのにあの砦はピクリとも動揺しなかった
ではないか!!』
とキンブリーに食ってかかっています。
『上層部の何名か』が国を裏切ろうとしていたことはドラクマ側に既に
知られているのです。
北軍がドラクマ側のこの事情を知る者を捕虜として確保できていたなら、
その証言をもとに中央上層部に対する反旗を翻すことは「正義」として
受け入れやすくはないですか?
あの時以来行方不明だったキンブリーがセントラルに現れたという事実は
『上層部の何名か』と共謀して何か事を起こそうとしているのだという事、
そして北軍はそれを阻止するために侵攻したのだというシナリオです。


大総統=ラースはいずれ「お父様」を裏切るのではないかとなんとなく
感情的な部分で思っていましたが、この北で起こったキンブリーがらみの
ことに関してもう一度コミックスを読み返すと、大総統はキンブリーを
指示してはいないんじゃないかと思えてきます。
つまり、『上層部』の暴走。
刑務所に収監されてたキンブリーが急に釈放された時も「お上のツルの
ひと声で」というだけで大総統とは言われていません。
釈放直後に「スカー&マルコーの捜索」を指示したのはエンヴィー。
その後ブリッグズではレイブンが指示するつもりをしてたけど、オリヴィエ
に始末されてしまって(というかそうなることを見越していたのかも)
キンブリーの権限は増大したのでは。
そしてバズクール炭鉱でのプライドとの遭遇により、「血の紋を刻む」
命令がキンブリーに下されたのです。


では今セントラルに戻ってきて嬉しそうにイシュバール人殺しをしてる
キンブリーを指示している者は誰なのでしょう?
・・・私にはわかりません。
しかし、イシュバール人によるテロが行われるという噂を流している者
であり、事が終わった後に一般市民に国を混乱に陥れた悪人として納得
されるだけの人物だろうと思います。


「事が終えた後には英雄になっているかもしれんぞ。」
オリヴィエ少将の言葉を実現するために北軍は戦っているのですね。