「盟約は守る」というけれど | 風紋

風紋

鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

先日のリンの「皇子カミングアウト」のことを考えた時、アルとウインリィは
あの時本人から聞いたけど、エドはいつリンが皇子って知ったのかなと考えて
みていたところちょっと長い考察になりました。


クセルクセスでフーさんに聞いたというのが自然な流れと思います。
具体的にはフーさんの「我が国に来てもらうことになっていル。」
「若がバリーと約束したのダ。シンの人間は盟約は守ル。この者の衣食住
すべて我が一族にまかせロ。」
このセリフのあとくらいにきっとエドが
「そんなこと簡単に言うけどほんとに大丈夫なのかよ。」
とか言って、
「ヤオ族の次の首長の命令ダ。一族を挙げてこの者を守ル。」
「・・・それって誰だよ?」
「若のことに決まっているだろうガ。」
「はあ?何それ。あのリンが次期首長?マジかよ。」
「若はヤオ族の未来を背負って立つ方ダ。皇帝閣下の血を享けてヤオ族を
繁栄へ導くべく産まれた方なのだからナ。」
「皇帝の血って、どういう・・?」
「若はシン国皇帝の第十二子、皇子ダ。いい加減口を慎メ。」
「皇子!!」
ここでエド、大爆笑。きっと腹筋がつるくらい笑ったね。
フーさん絶対「無礼ナ!」って怒ったと思います。
ページ数の関係でカットされてるけど、感動的なロス少尉との別れのシーン
の前に実はこんな爆笑シーンが展開していたんですよ、きっと。


それにしてもひと口に「盟約は守る」というけれど、これって大変な
ことです。
ひと一人のこれからの生活を預かるということもですが、それ以前に
過酷な砂漠越えがあるんですから。
大変な苦労をしてアメストリスに入国したのに、いくら不老不死の
手がかりの代償とはいえ、女性ひとりをシンまで送ってまたアメストリス
にとんぼ返り。生半なことではできません。
シン→アメストリスの旅程に何日かかるのかは明らかにされてませんが、
「大回りになる海路で1ヶ月」ということなので、それよりは少ない日数
で済むのでしょう。少なくとも10日以上でしょうね。


フーさんが約束を守ることに必然性を見出さない人なら、エドたちと別れた
あと砂漠の途中でロス少尉を殺したと思います。
バリーとの約束は「東に逃がす」だけ。国を追われた女性ひとり、砂漠で
死んでも誰にもわからない。身軽になればすぐにも賢者の石探しにリンの
もとへ戻れる。利だけを考えたらこういう選択もありえたでしょう。
それをしなかったのはなぜか。


リンもフーさんも、ロス少尉の立たされた状況に思うところがあったので
はないでしょうか。他人事ではないような気がしたとか。
後継者争いが大変そうなシン国のことです。リンもフーさんもその気はない
のに陰謀にまきこまれて命を狙われるようなことがあったと思います。
単なる偶然で、自分の意志に関わりなくたいへんな陰謀に関わってしまって
運命に翻弄されたこの女性をほっとけなかったのではないでしょうか。
まあ、軍事機密である賢者の石に関わった軍人と繋がりをもつことで、
これ以降の情報が得やすくなることも考えたかもしれませんが。


ガンガン早売りのネタバレを読んだらなんと、1巻のロゼが再登場している
そうなので、ロス少尉もきっと再登場すると思っています。
ロス少尉好きだ!
軍人だけど健康で至極まっとうな考え方をできる人だから。
傷ついて苦しんで強くなったホークアイ中尉とはまた違った、すこやかな
強さがあると思います。
再登場してランファンとからんでほしいなあ。
「もっと大人を信用してくれてもいいじゃない。」に匹敵する名セリフを
ランファンにかけてやってほしい!