現役書店員芸人カモシダせぶん(デンドロビーム)の
日曜に、一冊、読んでほしい本
今回はー、岡崎琢磨の長編ミステリ
夏を取り戻す
1996年8月末から同じ団地に住む小学四年生が謎の失踪をして、その後無傷で帰ってくるという事案が連続発生。彼らは自ら失踪を続けるのだが、そこには驚きの動機が。
とんでもなく面白かったです。こりゃ凄い。
失踪事件は何回も起き、主人公である雑誌記者の2人がその後に解いていくんですが、全部のトリックがハイクォリティ。なのに、小学生がマジで考えたと聞いてもちゃんと納得できるんだよな……
筋もお見事。96年というと僕も8才でちゃんと記憶がある、その当時の空気感をきちんと思い出せました。
また、このトリックと筋が両方とも立っているからこそ、物凄い数の伏線がかなり上手く機能している。
ここまでは暴かれても良いけど、ここは絶対驚くだろうなという伏線の難易度調整がしっかり出来てる。
だからこそフィニッシュブローが物凄く心を打つ。しかも綺麗な気持ちになれる。踏まえた上でのエピローグも素敵でした。
岡崎さんといえば『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズや『鏡の国』でファンになった方も多いと思います。
是非こちらも読んでいただきたい。岡崎さんの自身のあとがき、辻真先さんの解説も読み応えありました。
8/24(土)
【ミドル座】
会場 渋谷ばぐちか
開演 15時半
チケット
前売 1500円
配信 2000円
YouTube
【書店員芸人カモシダせぶんの読書のおとも】
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