オススメ本 1144冊目 殺戮にいたる病 | カモシダせぶんの、日々の文

カモシダせぶんの、日々の文

松竹芸能のピン芸人、カモシダせぶんです。本屋と図書館が好き。そんな僕の、ブログです。僕を、知ってる人がいたら嬉しい。好きな小説家は詠坂雄二。好きな歌手は後藤まりこ。好きなダンは、モロボシダン。

現役書店員芸人カモシダせぶん(デンドロビーム)の


木曜に、一冊、本の話を


今回はー、我孫子武丸のミステリ長編


殺戮にいたる病





見るも無惨な死体で見つかる女性たち。この小説は


その連続猟奇殺人事件の犯人、蒲生稔の視点


自分の息子が殺人犯なのでは?と疑う蒲生雅子


そして自分の知り合いの女性が蒲生稔によって殺された元刑事、樋口


三人の視点で語られます。


タイトルに違わず、蒲生稔がどんどん病的になっていく、そしてバンバン殺していく……快楽を得ていく蒲生


マジで怖い、こっちまで病気になってきそうなサイコ観


流石我孫子武丸さんです。我孫子さんといえば超名作サウンドノベルミステリゲーム【かまいたちの夜】に携わっている小説家さん。


小学生の時にかまいたちの夜プレイしててマジ怖すぎて頭おかしくなりそうになったのを覚えてます。


バッドエンドが沢山あるんですが特に主人公が狂っちゃったり、彼女に殺されたりする時のBGMが


めちゃほんわかしてるんですよ、それが激ヤバ怖い。ギャップの使い方が凄い。


この小説にも似たような手法という訳じゃないですが


蒲生稔が女性を殺す時に岡村孝子さんの曲を聞くというのがやってることへのギャップが凄くてマジゾッとします。




でも、どんな人も前向きにさせる。快楽殺人鬼も前向きにさせるなんて、超名曲なんだなとも思いました。


またこの小説は読み終えた時、ミステリ小説としてもとても優秀だなと思えます。全体の作りが凄い。


新装版の我孫子さんのあとがき、笠井潔さんの解説もとても良かったです。


語り継がれる名作。グロに耐性があれば是非とも読んでほしいです。