オススメ本 1126本 同姓同名 | カモシダせぶんの、日々の文

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現役書店員芸人カモシダせぶんの


木曜に、一冊、本の話を


今回はー、下村敦史の長編ミステリ小説


同姓同名。




話は、あるニュースから始まる。転落死した男性、彼の名前は大山正紀、彼を灰ビルから突き落とした男、彼の名も大山正紀。


ここから様々な事件が起こる、そこに関わっているのが「大山正紀」ただこの大山正紀は1人や2人じゃございません。


なんと10人の大山正紀がこの小説に出てきます。


この小説が凄いところは、大山正紀の書き分けがめちゃくちゃ上手い。ちゃんと今、どの大山正紀か100%わかる箇所がある。


そして、あえて「あれ?この大山正紀、あっちの大山正紀だよね?あってるよね?」となる箇所も作っているところもかなりテクニカル。


そしてこの登場人物ほぼ全員同姓同名という設定だけではなく、この小説には設定と同じくらいのしっかりとした社会性が盛り込まれている。実名報道、未成年の犯罪、SNSの私刑など、ここの部分もめちゃくちゃ大事。この重いテーマを読ますための同姓同名という設定は凄く意義があります。


僕はこの本のプレゼンを、学生ビブリオバトル決勝大会で4回連続で聞いてます。それぞれの子たちのプレゼンを思い出します。4回目でようやく読み始めてごめんなさい。


文庫化で収録されてた短編「もう一つの同姓同名」も良かったです。


因みに僕は脳内で小説の登場人物を知り合いに当てるんてすが


全員錦鯉まさのりさんにしてました。意外とまさのりさんって色々キャラ似合うんでしっくりきました。


からくり多め、間違いない面白ミステリなんで是非ー。


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