オススメ本 千百十三冊目 シャーロック・ホームズの凱旋 | カモシダせぶんの、日々の文

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現役書店員芸人カモシダせぶんの


日曜に、一冊、読んでほしい本


今回はー、森見登美彦の新作長編


シャーロック・ホームズの凱旋




数年ぶりに出た長編はまさかのイギリスが産んだ大探偵シャーロック・ホームズの世界。


ただ、舞台はロンドンじゃございません。京都です。ヴィクトリア朝京都です。なんだそれ。出てくる人物はワトソンやアイリーンなど英国名なのに出てくる通りや場所は全て京都。不思議な土地です。


そしてホームズ自体がガッツリスランプ中、なーんにも謎が解けない状態でグータラしてる。


そんな状態でも事件に巻き込まれるホームズ、果たして彼はスランプから脱出し、凱旋できるのか。


いやーー面白かったーー。ホームズだけど謎に向き合わない、非探偵小説。ミステリかと思いきやミステリじゃない。みたいなパートがいくつもある。


やはり森見さんは『熱帯』以降、ジャンルのボーダーを超えるやり方が際立って良くかけてるなと読んでてワクワクしました。きちんと笑えるコメディパートからシリアス、ミステリからファンタジーまで一見混ざらないジャンルが絶妙なバランスで一つになり、唯一無二の話を作り出していく。



なんなら完全に森見登美彦とシャーロック・ホームズが混ざってましたからね。これが凄い。森見小説でもあり、ホームズでもしっかりある。この本に向けて久しぶりにちょろっとコナン・ドイルの正典ホームズを予習したんですがしっかりそのキャラクターが出てきてニヤッとしました。


またお話自体も大展開して超良かったです。これぞ起承転結。いやもはや


起承転転転転ハイパー結


って感じでした。こんなに大技出して展開させてるのにきちんと綺麗に着地できてるんだよな……えげつない鉄棒選手みたい。


また、後半のメッセージ性も激アツでグッと来ました。やっぱり森見登美彦、好きだなー。


シャーロック・ホームズと森見登美彦。片方だけしか読んだことない人にもオススメだし、両方読んだことない人にもオススメ、両方読んでる人は勿論オススメ。


つまり全ての人にオススメの長編小説です。


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