オススメ本 千十九冊目 東大に名探偵はいない | カモシダせぶんの、日々の文

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松竹芸能のピン芸人、カモシダせぶんです。本屋と図書館が好き。そんな僕の、ブログです。僕を、知ってる人がいたら嬉しい。好きな小説家は詠坂雄二。好きな歌手は後藤まりこ。好きなダンは、モロボシダン。

現役書店員芸人カモシダせぶんの


木曜に、一冊、本の話を


今回はー、短編ミステリアンソロジー小説。


東大に名探偵はいない



東京大学卒業の作家五名に、現役東大生の浅野皓生を加えた六名が書いた


東京大学をテーマにしたミステリ短編


いやー、中々無いテーマ、かつ、この人たちにしか書けないミステリだわ……。


めちゃくちゃ良かったです。それぞれの内容は勿論、掲載順が特に良かった。


まずトップ 市川憂人「泣きたくなるほどみじめな推理」

90年代中期の東大生たちの話。使ってるPCのスペックとか色々時代を感じた……。懐かしさもあったな。内容もグラデーションで濃くなってって最後ドスンって感じで読み終わっても印象に残る素晴らしいトップバッター。


2番手 伊与原新「アスアサ五ジ ジシンアル」

ここっ、この1番手からの2番手。違う作者でNO打合せで、まるで連作だったのかと思う繋がり方で震えました。こちらは現代と百年前が繋がってくるミステリ。個人的にはこれが一番好きでした。参考文献で「あ!この人実際にいた人なの??」と驚きましたね……。


3番手 新川帆立「東大生のウンコを見たいか?」

最高な1番手、2番手の並びから来てのこのタイトル。ぶっ壊しすぎです。書いたのは昨年史上初月9ドラマ原作2本を達成した新川帆立さん。新川さんの小説って本人こういうこと考えてるんだろうなぁと見える部分が好きなんですが、今作に至ってはいよいよ本人登場してました。リリーと新川さんシリーズ、もっと見たいなぁ。タイトルのインパクトに負けじと理系知識多めミステリで楽しめました。


4番手 辻堂ゆめ「片面の恋」

打って変わってものすごーく綺麗な日常系ミステリ。これも新川さんの後は辻堂さんのこの話しかないって感じ。辻堂さん、ビブリオバトル大阪決戦でお会いしたけどホントいい人だったな……。短いお話の中に結構キャラ出てくるけどしっかりキャラ分けされてて読みやすいのが凄い。最後の注釈におおっとなりましたね。


5番手 結城真一郎「一応東大です」

一番この本の中で「東大生の気持ち」に切り込んでいた話。主人公が結婚した妻がなぜ東大にこだわっていたのか……。読むとどんどんめくれて血が出てくる感じ、結城さんらしさがありますなー。満足。


6番手 浅野皓生「テミスの逡巡」

ここも順番に痺れた。大トリにまさかの現役学生さん、しかも書籍化デビュー作。こんだけ第一線プロの後で大丈夫かね?とお節介ジジイで読んでみると、面白いっ。東大の学内誌記者という主人公の立ち位置も良かった。ヘビーかつ、展開も現代的な広がり方した上でのあのオチ。重さがある分、内容もトリに相応しかった。この人の小説もっと読みたいなぁ。


皆さんそれぞれ素晴らしかったんですが、どの作品もオチが良くて読後満たされて終われる。東京大学ではいいオチも教えているのかな……教えてもらいたいな……。


あと東大生の恋を扱う小説もいくつかあって


昔付き合ってた東大院生の元カノを思い出しながら読みました……。3ヶ月だけしかお付き合いできませんでしたが……。


あの松竹芸人3人、東大生3人のコンパ、今思うと奇跡みたいなコンパだったな……。


僕の年収、未だに彼女たちの月収以下なんだろうな……。


頑張ろ。彼女たちも頑張っていたのだから……。


変にしんみりスイッチ入ってしまった、この短編集ホント良かったんで是非。東京大学目指す人も一つの参考書になるかも。


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2/28(火)

【読者たちの夜会】

会場 ネイキッドロフト横浜

開演 19時半(開演30分前)

チケット

前売 1500円+1ドリンク

当日 2000円+1ドリンク

配信 800円(2週間アーカイブあり)

出演

カモシダせぶん

紺野ぶるま

彼方さとみ(変ホ長調)

中根すあま

積風我(全国高校ビブリオバトル2020ファイナリスト)

堀内八衣乃(全国大学ビブリオバトル2021チャンピオン)

(本好き芸人たちのトーク&ビブリオバトルライブです)