忘れえぬ木槿の思い出 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


ムクゲ

写真は木槿(むくげ)。

古い時代から愛培されてきたためか、ムクゲの種類は沢山あります。
赤木槿、白木槿、絞り模様、おそらく数百以上だと思います。
どの花にも見飽きない風情があるのは、誰かの不思議な力が添えられているのだろうと思うのです。

昔のこと、どこかの神社の隣に宿を取ったことがあります。
それが何処の神社であったのか、何故の旅であったのかはすっかり忘れているのですからね。

神社から伸びた参道は、港の入り口に鳥居が立っていたことから、漁師町であったような。
参道の両脇には整然と「宗旦木槿」が植栽されていました。
早朝から年配の女性が、何度も何度もこの参道を裸足で往復されていました。
「願成就」にはどの位かかるのか、またいかなる「願」であるのか、小生には全く関わりのない「お百度」でしたが、日本の如何なる町にも人々の願いがあり、生活と深く結びついていることを知ったのです。
あの時からどのくらい経っているのだろう。
我が家には一重八重の木槿がひっきりなしに咲いています。


駄句1句。
青木槿空より深い海を見せ

腰折れ1首。
宗旦の花投げ入れたる筒見れば粗茶を淹るる人の思案の果て