写真は檜扇(ひおうぎ)。 夏の季語
秋の赤黒い実は「ぬばたま」と言い、枕詞「ぬばたま」の由来となっています。
今日は、写真の檜扇の茎をしっかりご覧頂きたい。
日に灼けたホトトギスのような花は今日はムシですぞ。
ヒオウギはアヤメ科の植物ですから、ジャーマンアイリスやシャガに似た葉姿ですね。
昔ムカシ「奥ゆかしいき」女性は我が顔や姿態を、相手に直接見せることは恥ずかしい、と思ったのですね。
そこで、扇を広げ、話し相手に我が意気の直接かかることの無礼を避けたのであります。
ふと庭を見ると、アヤメに似た植物が枝を広げております。
ああ、これは紙を貼る前の扇の骨にさも似たり!
扇の骨は檜(ひのき))製が多かったのでしょう。
庭のアヤメモドキは「ヒオウギ」と名付けられました。
史書を詠む範囲では、あまりオリコウさんのおられなかった、男子文官
は、備忘のため伝達内容を笏紙(しゃくがみ/しゃくし)という紙に書いて笏の裏に貼って用いていたようです。
男女ともに「カンペ」の横行!
男子文官の笏(しゃく、衣冠束帯に改めたとき、何より大事に胸の前にしゃもじを持ちますね、あのしゃもじが笏。木製で材料はイチイの木。いつか我も見いだされて「正一位」になりたい、夢があるからイチイの木)
男子笏も女子檜扇もカンニングペーパーの始まりですから、我が顔隠しても相手の顔はしっかり見るのがエチケット。
垣根の中に透垣(すきがき、すいがい)とありますが、あれは檜扇と基本の考えは同じだと思うのです。
垣根ゆえ敷地内を覗きみること断じて相成らぬ、という他者遮断の思想はありません。
如何なることがあっても敷地内は断じて覗かせぬ、というなら「透き垣」では中途半端ですな。
如何なることがあろうとも他者をの目を遮断するなら、「透き垣」ではいけません。
風情など考慮することなく、杉板を張り付ける。
節穴があってはいけないから、二重三重にね、厳重に目張りをすることであります。
こうなると、「透き垣」の発想は、どこかで他人の目を許容しているのです。
駄句1句。
檜扇は掌状に広がりぬ
腰折れ1首。
檜扇のぬばたまの夜を思ふ時秘やかに目は二つが習ひ