林檎が幸せだったあの頃 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


姫林檎


写真は姫林檎(ひめりんご)。

品種名は姫国光。
秋の実は食用の「国光林檎」の十分の一でしょうか。
戦後の懐かしいリンゴの味を教えてくれるリンゴです。

写真のリンゴは花の時期から放置してありますので、成り放題の見放題であります。
剪定の時期が入院と重なったため、今更の摘果も間に合わず。
今年はこのまま置いてみようかなと考えています。

昔リンゴもバナナも病気にあえぐ人以外は滅多に口にできない、高価な果物でしたね。
その高価なリンゴの中で、比較的手に入れやすかったのが「国光」「紅玉」でしたね。

「リンゴは皮を剥いて食べる」なあんて手間は掛けなかったですよ。
片手で掴んで口に入れる。
口に入れて、また出す。
出したリンゴをそっと前歯で噛む。
前歯で噛んだ後に奥歯へ送り、十分噛みしめる。
この幸せったら、飽食の時代には表現できませんね。

秋の実なりまで、いくつの「姫国光」が残っていることだろう。


駄句1句。
林檎噛み虫歯恐るる孫二歳


腰折れ1首。
姫国光我の撫でたる果実の下に戦後の思ひとめどなく溢る