夏姿三人衆 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


皐月 紅傘

リラ

月見草


写真は皐月、リラ、月見草。

夏ですね。誰がなんと言おうと夏ですね。
と言いつつ、難聴爺は耳に手を当てながら異論を聞こう、としておるのです。
ずるいですね。爺自身に自信が持てないのです。
これで時々コップの水を淑やかに口に運べば、こりゃあ東京都知事ですよ。
「ああ言えばこう逃げる」
化けそこないのキツネですな。

夏の植木は、爺には3種。
①サツキ
②リラ
③月見草

これをまとめて爺は「夏姿三人衆」と呼びます。

① 皐月=ツツジ科サツキ。

これほど品種改良がなされ、年々歳々新種が大量に発表される樹種を、爺は知りません。
赤花、白花、絞り花、それぞれに濃淡があり、別品種とされるので、もはや爺などのボケ頭では整理整頓は夢物語。
サツキの識別はとっくの昔に忘れております。
古くからある、大盃、華宝、日光に見捨てられぬよう、鉢には大小のラベルを差しています。

写真のサツキは品種名「紅傘」なる、大輪鮮紅の花です。
樹齢は50年ほど。
これがねえ、アホ爺の手抜きで水切れとなり、下部10㎝を残して枯れたのですよ。
でもね、切り株から芽を吹き、毎年鮮やかな大輪朱色の花を沢山咲かせます。

② リラ=モクセイ科。和名はムラサキハシドイ(紫丁香花)英語読みではライラック。
大量に植え、芳醇な香りを毎日嗅ぎたい、ほどの花ではないけれど、初夏の日射しに一輪は持ちたい花ですね。
この花を手に持って、近所の盆栽好きご老人に見せたいではありませんか。

③ 月見草 マツヨイグサかオオマツヨイグサかの議論の前に、花色は「薄紅(うすくれない)」こそ、月見草也、と前記の盆栽老人は譲りません。
「薄紅の月見草は湯上がり美人、と言うのだぞ。イヒヒ。黄色では湯上がり子供じゃないか。ここは断じて薄紅色」
盆栽老人の論にはどこか力がありますな。
まあ、落ちついて考えれば愚老とて、薄紅(うすべにくれない)の湯上がり美人の方が、黄色の湯上がり子供よりいいのですがね。



駄句5句。
五月雨に皐月紅傘傘を差す
紅傘は乙女の響き皐月かな
ライラックリラほど香りなかりけり
リラの花巴里まねびのジュテーム
月見草夏日射し受け鮮黄に

腰折れ1首。
月見草素焼きの鉢に這ひ回り薄紅(うすくれない)の思ひ出溢る