写真は薊(あざみ)。
薊(あざみ)。キク科アザミ属。
古い日本語に「あざむく」とありますね。
え?「あざむく」など古くもなく今もつかう?
あ、それは幸いでした。
「あざむく」→「あざむ」→「だます」などの一連の語句が「薊(あざみ)」の語源らしいのです。
濃い紫に咲く「薊(あざみ)」の花に惹かれ、ふと触れてみると花にはトゲが。
濃き緑の葉はギザギザとまるで「両刃鋸(もろばのこ)」ではありませんか。
見かけの美しさに騙された、裏切られた、欺かれた」と相成るのです。
それでアザミ!
ホントかね。
ドクダミの白花を剪り、一輪挿しに活けた。
こりゃあどうだ、ドクダミもなかなかイケルぜ。
これを淡い色彩の水彩画に描いて知人に見せる。
評判もいい。大いに面目をほどこしたついでに、一輪挿しごと鼻に近づける。
臭い!裏切られた!欺かれた!よってこの花は以後「薊(あざみ)とする、とはなりませんな。
駄句5句。
触れてみて薊の花の棘疎し
人嫌ひ薊の花は吾独り
夏薊花に釘持ち両刃鋸(もろばのこ)
夏薊蝶も避け舞ふ荊かな
群咲かず吾は吾なり薊花
腰折れ1首。
野薊の濃き紫の花にある蝶も追ひたる妥協せぬ棘