写真は虎杖(いたどり)。
虎杖(いたどり)の別名は「明月草」です。
なぜ「名月草」であるのか、爺にはさっぱり分かりません。
葉の形はあのドクダミに似ていますね。
春の若芽は小さなタケノコの形で、食用になり、折り採ればポンと折れ、淡い酸味があって、これを地方によってはスカンポと呼んでいます。
されど、しかれど「明月」とはまるで縁はなさそうです。
まして不思議なのは通称「いたどり」をなにゆえ「虎杖」と漢字表記するのか。
虎にも杖にも関わりがなくて「虎杖」とは摩訶不思議の次第なり。
才女清少納言嬢も、このことに不審を洩らしておいでになりますよ。
虎杖を、ムカシ爺は山菜として食したことがありますが、戦後の欠食悪童が狂喜するほどの美味ではありませんでした。
虎杖は食用より古来薬用として珍重されていたらしく、葉を揉んで傷口に塗るとたちまち直るのだそうです。
「陣中膏ガマの油」に拮抗する薬効を求め、傷口に塗り、腹痛に服用する。
痛みを取るから「イタどり」ってね。
駄句5句。
虎杖(いたどり)を傷口塗りし剣戯の日
淡々(あわあわ)と虎杖の花の路地に咲く
野面なる紅虎杖の鮮やかさ
虎杖を齧りし悪童古稀過ぎぬ
虎杖を握り帰りし暮れやかな
腰折れ1首。
虎杖は名月草と言ふと聞き左見右見(とみこうみ)求めし遠き夏の日