写真は鈴蘭(すずらん)。
鈴蘭は夏の季語。
一気に夏に突入!の感じですね。
スズランと言えどラン科にあらず。
ユリ科なのですね。鈴蘭の別名、君影草も夏の季語。
ランと付いても蘭ではない。鈴と付いても鈴ではない。
ほんにお前は妙な奴。
蘭にあらざるランはスズランだけじゃありませんぞ。
葉蘭(はらん)はしばしば庭の法面(のりめん)潰しに使われるユリ科の葉物。
酒乱(しゅらん)は赤提灯狂いの飲みすぎ科のボケ爺のこと。
日本にも鈴蘭の野生種がある、ということですが、葉姿も花も野生種はずいぶん小型らしいですね。
園芸種はドイツスズラン系統である、と聞いています。
すいと伸びた茎に、真珠のような白花を咲かせる、夏には欠かせない花ですね。
でもね、お気を付け遊ばせ。
スズランは、花にも葉にも毒がありますぜ。
香りにつられて花を鼻に寄せ、汁を口にし、洟を垂らして端(はな)から倒れたなあんてのはシャレになりませんからな。
雑俳6句。
鈴蘭の花一鉢で夏化粧
鈴蘭を安く求めし露店の灯
君影草鈴蘭よりも重くなる
思ひ出の鈴蘭一茎鈴の花
思ひ出の鈴蘭歳々縮まりぬ
鈴蘭の鉢に居並び夏迎へ
腰折れ4首。
鈴蘭を安く求めし夏の夜のカーバイトランプ匂ひ懐かし
鈴蘭を君影草とそっと告げ去り行く人をアセチレンの灯
君影草の鉢手渡しき人白き鈴のカーバイトに揺れ
鈴蘭は真珠の花の君影草露店に買ひし夏休みかな