♪花は何の花 つんつん椿 水は天から貰い水 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


椿 春の台


椿 烏丸


写真は椿烏丸と春の台。


爺の子供時分に、ツバキと言えば赤一重の藪椿でした。
赤藪椿の中に、まれに白花も混じる程度だったような塩梅(あんばい)だったかな。

椿愛好家の方々の、気の遠くなるような品種改良研究の結果、今日様々な品種が種類が作り出されたのですね。
かつては「夢の色」とされた黄色椿も、青色椿も現実の椿になりました。


写真の椿は対照的な色合いの2種です。
① 薄紅八重は春の台(はるのうてな)。
② 赤一重は烏丸(かすまる、からすま)。


①について。
台(うてな)とは仏像の乗る蓮台(蓮の花をかたどった台)のこと。
この椿はまだ五分咲きですが、まもなく美しい八重の花びらが展開します。
この花を蓮の花に見立て、仏像の台座と見なしたのでしょう。
春の台、なんだか敬虔(けいけん)な祈りが聞こえそうな椿ではありませんか。


②について。
以前にも申し上げた通り、烏丸は普通に「からすまる」と読む方と、京風に「からすま」と読まれる方があります。
読みはどうでもいいのですが、この花の端正な面差しと、深紅の色がいいなと爺めは見ています。

これから開花を楽しみにしている椿は、

1に「楼蘭」2に「香妃」3,4がなくて5に「村下」です。
蛇足ながら5の「村下」は「むらげと読みます。
出雲地方では古く「砂鉄鍛冶職人」のことを「村下」と言った、とか。


雑俳5句。
烏天狗の憑(つ)きたるや赤椿
赤椿烏憑きたるや烏丸
紅椿春の台(うてな)に佛座す
佛座す春の台は紅椿
佛座す春の台は椿なり


腰折れ1首。
深紅花きりりと咲くや烏丸都の名を負ふ椿なりけり