写真は土佐水木(とさみずき)。
面倒なもので、土佐水木、日向水木はマンサク科。
花水木、山法師はミズキ科。
両者は別樹種なのですね。
写真は土佐水木、マンサク科です。
大変よく似た花で、一回り小ぶりな花は日向水木。
写真の土佐水木はこれで咲き納めではありません。
やがて花びらの先端に花びらが連なり、ふと見ると、古寺の軒に下がる鎖樋(くさりとい)を思わせるのです。
古寺の鎖樋を伝う雨だれは、段ごとに跳ねて光り、また樋に纏い、雨受けの蓮形の用水鉢に落ちます。
春の降り止まぬ小糠雨に、傘差して見ておりますと、喜びも悲しみも悔いることなく繰り返す人の世を思うのです。
花びら重なる土佐水木を見ていると、古寺の鎖樋が浮かぶのです。
雑俳5句。
土佐水木花に花添ひ鎖樋(くさりとい)
土佐水木鎖樋(くさりとい)かな雨を受く
雨受けて鎖樋(くさりとい)なり土佐水木
土佐水木花の確かさ楷書咲き
陽の温さ日向水木の花爛漫
腰折れ1首。
土佐水木楷書の花の確かさよ一輪ごとに青空の下