土佐水木の花は古寺の鎖樋に似て | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


土佐水木

写真は土佐水木(とさみずき)。

面倒なもので、土佐水木、日向水木はマンサク科。
花水木、山法師はミズキ科。
両者は別樹種なのですね。

写真は土佐水木、マンサク科です。
大変よく似た花で、一回り小ぶりな花は日向水木。

写真の土佐水木はこれで咲き納めではありません。
やがて花びらの先端に花びらが連なり、ふと見ると、古寺の軒に下がる鎖樋(くさりとい)を思わせるのです。

古寺の鎖樋を伝う雨だれは、段ごとに跳ねて光り、また樋に纏い、雨受けの蓮形の用水鉢に落ちます。
春の降り止まぬ小糠雨に、傘差して見ておりますと、喜びも悲しみも悔いることなく繰り返す人の世を思うのです。

花びら重なる土佐水木を見ていると、古寺の鎖樋が浮かぶのです。


雑俳5句。
土佐水木花に花添ひ鎖樋(くさりとい)
土佐水木鎖樋(くさりとい)かな雨を受く
雨受けて鎖樋(くさりとい)なり土佐水木
土佐水木花の確かさ楷書咲き
陽の温さ日向水木の花爛漫


腰折れ1首。
土佐水木楷書の花の確かさよ一輪ごとに青空の下