写真は花かんざし。
一昨日の天気予報女史は、「この冬第一級の寒波が来るでしょう」と、占い師の口上を真似て予言していましたが、これが大当たり!
昨日珍しく早起きした爺は、フイッシャーマンセーターの上にダウンを羽織って渋々外に出てみました。いやあ、寒いこと寒いこと。
いやあ寒いですね。
待たれよ、しばし!
3行前に爺は何と書きましたか?
「フイッシャーマンセーター」に「ダウン」ですぞ。みなさん。
フイッシャーマンセーター別名アランセーター。
昔ムカシ、アイルランド西岸のアラン諸島で編まれた、縄目模様の、漁師の愛用したセーターで、30年ほど以前に流行致しましたな。
のみならず「ダウン」まで。
ノックダウンではございません。水鳥の胸毛を用いた防寒衣料ですよ。
「ダウンコート」を省略して、さりげなく「ダウン」で言いさす爺の意図をお読みいただきたい。
この二着は、爺の日夜研鑽努力する姿を見て、家人が貰ってくれたものであります。ゆえに一張羅ならぬ二張羅。
さようなことなともかく(ともかくと言いながら吹聴致しましたが)、
昨日の朝の寒さは強烈でしたよ。
ネコジャラシの枯れた、我が陋屋の庭には霜柱がビッシリ。
鉢植えに水やりをやるかやらないかずいぶん思い悩みました。
水撒きなど、童子のイタズラにも似て、簡単軽便作業と思われるでしょう。
思うと、やる、とは大違い。
筑波山麓の陋屋では、昨日のような寒さの折には、外水道が完全に凍結するのですよ。
栓を捻れど、ホースを叩けどガンとして受け付けず、応答はさらになし。
でもね、早起きは三文の得、苦悶の凍苦。
ふと見ると、寒さのゆえか胸毛の膨らんだ鶯がチョンと現れ、枝をくるり一回転、「チャッ、チャッ」と笹鳴きを残し直ぐ消えました。
愚老寝ぼけ眼の老眼なれど、鶯と雀を見間違えるはずはございません。
欣喜雀躍とは、かかる場合の形容としてタダシイものであります。
(雀と爺は着ぶくれで、軽やかな舞いはできませんが、欣喜ならいつでもできますぞ。現金100円でも貰えば、爺は即座に跳ね回りますよ。まさにゲンキン親爺ですな)
棚上に輪切りの蜜柑と、温室育ちで満開の花かんざしの鉢を置いてみました。
せっかく訪れた鶯に、せめての馳走のつもりです。
駄句5句。
寒鶯(かんおう)は椿の花粉ほんのりと
寒鶯(かんおう)の早きを悔ひて飛び去りぬ
鶯は笹鳴きチチで消えにけり
久闊の冬鶯は無愛想
寒鶯は春立つ前に一目なり
腰折れ1首。
鶯は宅地になりし楢林あはれ春告げる枝探すらむ