写真は椿(品種は不明)。
写真の椿は品種不明ですが、毎年1月下旬には開花する習性があるようです。
愚老、品種不明のこの椿を「乙女椿」と呼んでいます。本当の「乙女椿」は一回り小ぶりで、桃色が鮮明に現れます。
写真のこの椿は桃色が淡く、大きめの八重ですが、若かりし頃脳裏に刻まれた乙女の印象に似ているので、「品種不明」を幸いにこの花を「乙女椿」と呼んでいます。
世の中には四角四面の定規を当てたがるお人も多く、もしかしてこの花を見て、
「キミキミ、キミは乙女には非ず、強いて申せば昔乙女ならん」
など、椿への非難を口を極めて申されるやもしれません。
さすれば、この椿嬢は思わぬ事態に色変えて涙ぐまれることも、と思案も致すのです。
己に罪はないのに、悲嘆にくれさせるの蛮行は、愚老阻止せねばなりません。
やあやあお立ち会い願おう、この椿の名は「乙女椿」なるぞ!爺が乙女と言い、本人が乙女と思うに、異論はござるまい。
よくよくすかしてご覧じろ。
ほんのり淡く桃色立ち、恥じらいを帯びて咲く風情は乙女でござろう。
乙女椿は、咲いて散るまで、粗暴な振る舞いなど致しませんが、近来の人間界の乙女諸嬢の行動力の旺盛なるは、愚老瞠目致すばかり。
恥じらいのない会話は「べらんめえ調」で、マジ怖い方もおられる。
けれど「怖いもの見たさ」とも言うじゃありませんか。このお嬢様方を顔を塞いだ両手の間から、拝見することもあるのです。
駄句5句。
大寒に乙女椿の震へ咲く
大寒に乙女椿は可憐過ぎ
大寒の花は椿の乙女のみ
枯野なる乙女椿の恥かしげ
春立つ日乙女椿は少し待て
腰折れ1首。
薮に咲く乙女椿に鳴く鳥は春告鳥こそ似合ふと思ふ