写真は長寿梅(ちょうじゅばい)。
名前に「梅」が付いてもウメではありません。
何を隠そう、クサボケの一族で、唐渡りの彩り豊かな木瓜(ぼけ)とも異なります。
その名を長寿梅(ちょうじゅばい)と申します。
写真に写っておりますように、極小輪の花が今咲き始めました。
早春の盛りには、枝を覆うほど咲く花ですが、今の花は「斥候、物見」でしょうか。
師走の慌ただしさに、やることなすことうまくいかず、ただオロオロと一日を無駄に過ごす「爺」などの様子を偵察して、本体の蕾諸公に報告するのでしょう。
でもね、花の径5㎜ほどの鮮烈な緋色が朝日に輝く様子は素晴らしいですよ。
長寿梅よでかしたぞ!偉いぞ!
爺は消え入りそうな小花を手に持ち、感嘆を洩らすのです。
駄句5句。
電池なく師走の夜に震え居り
最新の暖房器電池要るを知る
食ひ残し鵯(ひよ)の始末で安堵せり
極小の寒木瓜枝に張り付きぬ
長寿梅点の花にて年越へか
腰折れ1首。
音もなく忍び飛び来る鵯(ひよどり)の木守の林檎懸命に突(つつ)く