なんじゃもんじゃは夏咲くもんじゃ | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


なんじゃもんじゃも枯れたもんじゃ

写真はなんじゃもんじゃの木。

初夏に咲く白花の盛りは短い。
一斉に咲き一斉に散る趣き。

「なんじゃもんじゃ」とは、写真の「ヒトツバたご」を差すのが普通ですが、地方によっては「クス」や「カツラ」の大木に「なんじゃもんじゃ」の名を当てることもあるようです。
村中に立つ、年ふりた大木に親しみを込めてなんじゃもんじゃと言ったのでしよう。

東京都調布市深大寺(じんだいじ)の境内に、中村草田男の句碑があって、5月のなんじゃもんじゃの落花の舞いが句碑を包み、素晴らしい情趣を作り出すのです。

句碑には、
【万緑の中や吾子の歯はえ初むる ばんりょくのなかやあこのははえそむる】
とあって、「雪」の花が、緑の[海」に舞い散り、沸き立つ生命の讃歌を謳っているかのようです。

爺の「忘れられないなんじゃもんじゃの花」3景+1添。

①東京都調布市深大寺境内。(中村草田男の俳句句碑は是非ご覧頂きたい。草田男氏は『一杯のゆず湯を飲んでしまいけり』の失敗作や『降る雪や明治は遠くなりにけり』の秀句に切れ字『や』と『けり』の2語を詠み込み、爺などは首を捻っているのですが、草田男信奉者の方は『この句の『は』が抱え字になっているので、問題はない、と仰います。苦しい弁明ですね。もしこれが『も』だとか『ぞ…ける』となっていたら、これも抱え字なのですかね。昔ムカシ、比叡山西塔を訪うた際、法華堂と常行堂が渡り廊下で結ばれて厳かな佇まいでありました。魯鈍な小生、傍に居られた坊様に、あのお堂のどちらが格上なのですか、と尋ねてエライ剣幕で叱られたことがあります。あの2堂を繋ぐ廊下が俳句の『抱え字』にあたるものなのかな)

②福岡県太宰府市太宰府天満宮北門脇、隣家の方のお住まいの庭。(*民家なので、北門を出たら塀の彼方を失礼なきよう、静かに御覧あれ)

③茨城県下妻市大宝八幡宮境内。(地域に根ざした古社で、夏は紫陽花が素晴らしい。拝殿脇にはおびんずる様も鎮座しておられるので、痛み弱みの箇所を存分お擦りください)

②茨城県筑波山麓を見る都から僻遠の地、爺の陋宅。(入場無料、一献付き。持ち込みならば飲み放題。孫娘ミイちゃんサーちゃんの挨拶付き)

我が家のなんじゃもんじゃはまだ子供。
生命の讃歌には程遠けれど、それでも5月には精一杯の花を咲かせますよ。


駄句5句。
今更に冬至の寒さ思ふなり
熱燗を吹いて冷まして人肌に
玉子酒白身を除けて酒の分
夕暮れの背なの震えに玉子酒
重ね着の名札に孫の漢字名

腰折れ1首。
椿の名皆忘れはて椿とす椿も楢もなんじゃもんじゃに