写真は鵯の食べ残した林檎
写真の国光林檎は、最後の一つがめでたく年を越しそうです。
秋遅くなるとエサを求めて、いろいろな野鳥が我が陋屋の庭にも飛来します。
なかでも先日のブログで紹介致しましたムクドリ、失礼ヒヨドリの執念はなかなかなもので、海棠の実を平らげ、サンザシの実を始末し、先頃から国光林檎に取りかかっていました。
林檎君が健全な姿で枝に下がっている間は、ヒヨ君が突こうが齧ろうが林檎自身のの自重で動じることもなかったのですが、「雨だれ石を穿つ」ように「ヒヨドリ林檎を突く」うちに、あわれ林檎は満身創痍、かかる姿になり果てた次第なのです。
半分だけつつき残されても、なお枝に残る林檎君の姿はむしろ壮絶ですね。
物事にうすら鈍感な爺でも、さすがに命あるものの「もののあわれ」を感じましたよ。
駄句5句。
鵯(ひよどり)の声の寂しく悲よと鳴く
食ひかけは木守にせよと鵯(ひよ)の業(わざ)
食ひかけの菓子並ぶる子鵯(ひよ)への礼
食ひかけは鵯(ひよ)の突いた林檎なり
鵯(ひょどり)の林檎半鐘火の見かな
腰折れ1首。
幼子は鵯(ひよ)のなしたる半林檎妖怪の業とおののき震ふ