写真は深い眠りの桜並木。
3本の桜は「旭山桜」です。
染井吉野のとてつもない広がりと違って、旭山桜は矮性の樹で、花も行儀良く、花もほどほどに咲きます。
愚老、桜の季節には写真の盆器ごと、往来に面した特等席に飾るのです。
道行く人へのサービスもあれこれ考え、大きめのラベルに墨痕淋漓(なあんてね、墨じゃござんせん、マジックで大書、さすれば墨痕淋漓は誤りゆえ、『マジックキュルキュル』と訂正!)「桜の園」と書いて置くのです。
但し書きには「知恵豊富」と添えて。
やや色褪せてくると「桜の園」は「三人姉妹」となります。
但し書きも「千枝箒」と致します。
さて、写真で御覧の通り、冬至も過ぎると「桜の園」は深い眠りの中。
爺めが道行く人を喜ばせん、と施した特製ラベルは、風に飛ばないように鉢の下。
来春も桜の季節には、往来沿いに並べ置き、爺は樹下に毛氈など敷き並べ、冷やで一献。
楽しみだなあ。
あ、そうそう、道行く人はそのまま行って頂く。
誰彼構わずに庭に招じ入れて、共に酌み交わすのも妙ですからな。
駄句5句。
山行けば桜紅葉も枯桜
チェーホフの宴懐かし枯桜
枯桜遊山の客も背を丸め
塔越へて重なる桜眠りけり
木洩れ日の地に射し込むや枯桜
腰折れ1首。
塔屋根にさらさら飛びし花びらを春のこととぞ思ふ悲しさ