写真は熊草(くもまぐさ)。
爺の棚から草花が消えました。
今日は冬至だものね。
花などのんびり咲いてはいられませんや。
花も皆無ではないのですが、この時期に健気に咲くのは「洋種」の強い血をひいた鉢ばかり。
イベリス、パンジー、ベゴニア、みんな横文字ですよ。
横文字を嫌って「シクラメン」を「豚の饅頭」なる和名で売らんとした似非国粋主義者がござったが、さて売れたやらどうやら。
愚老も昨日のこと、横文字以外の花はないものか、と我が庭を探しました。
ありません。ありゃせん。なかバイ。
山茶花・椿の類は、幾種類か咲いているものの、「秋咲き」を宣言して憚らない諸公を横文字諸輩に並べるのは、なんだか規則違反(何の?)の疑いが残りますな。
ゆえに、山茶花・椿群は一休み願う。
となると、もう冬に咲く花は無いのです。
さて、ここで奥の手・孫の手・爺の手、汚い手。
写真の「雲間草」と相成ったのです。
この花も、西洋で改良されたもののようですが、「雲間草」の横文字名は誰も知らない。知らなければ「ない」と同じ。よって雲間草は問題なく和名といたそう。
ところで、花名にヤカマシイ人はどこにも居られるもので、
「これはクモマソウではない。クモマグサである。間違いのないように」
とクギを刺されたのであります。
俳句5句。
頬赤く霜焼見ぬ子ら息白し
苦しとて柚子放りたる冬至かな
目を皿に芽を調べぬ冬至梅(とうじばい)
霜焼の子ら皆遠き思ひ出なり
冬焼けの空に夢見し男(お)の子たち
腰折れ2首。
あかぎれの血さへ誇らか男(お)の子らの雄叫び路地に溢れし昔
ゴム跳びの声弾ませし乙女らのひびあかぎれさへ赤く懐かし