写真は白木槿(しろむくげ)。
今年はムクゲに嫌われたのでしょうか、時々ほんの一二輪咲くだけで、あとは知らぬ顔の半兵衛。
秋空高く澄み渡った日のムクゲを待ち望んでいるのですが、秋の長雨が降り続き、ムクゲは気まぐれ、なかなか爺の思い通りにはなりません。
昨年秋に見た、玄界灘に身を乗り出すように咲いていた、ムクゲの強さを忘れられません。
昨日は孫のコタ君の通う小学校で運動会が行われました。
愚老は野暮用あって見学には行けなかったのですが、早朝から父母やら爺婆の衆が通学路を通っておられました。
どの顔も温和で、楽しげに見えたものです。
愚老は白ムクゲを眺めて、無垢の子らの躍動を想像していました。
コタ君は帰宅後、開口一番、
「ビリだったよ、ビリ!」
「かけっこでかい?」
「うん、かけっこ!」
「ああ、かけっこで、ビリ?」
コタ君はビリなど気にとめる様子もなく、明るい対応でした。
いいのだよ、お前の明るさがいい。
かけっこやはしっこさなんざビリでいい。
なぜか爺は昔ムカシ、田舎の映画館で観た、西部劇の英雄「ビリー・ザ・キッド」を思い出していたのです。
駄句5句と愚歌1首。
白木槿紅木槿も秋惜しむ
白木槿微かな紅もなかりけり
白木槿無垢の香りを醸したり
白木槿物問ひたげに傾ぎたり
白木槿満月前にたじろがず
秋空の高き白雲吸ひ寄せて木槿は無垢の花満開に