写真は随菜(ずいな)。
随菜、別名嫁菜の木(よめなのき)。
よく似た名前で「嫁菜(よめな)」があります。
草本と木本の違いがありますが、どちらも春の若芽は食用にされてきたのですね。
福島県民謡「新相馬節」に次の歌詞があります。
【♪ほろり涙で 風呂たく嫁ご
ナンダコラヨト ハ チョーイチョイ
けむいばかりじゃ ないらしい】
「ほろり涙で風呂たく嫁ご」の悲しみは、頭痛や腹痛によるものではないらしい。
嫁ぎ先の家風の違いやら、舅、姑、小姑の人々との関係が「悲しみ」の根底にはあるのですね。
「秋茄子は嫁に食わすな」
なんて言葉の残酷さも、ほろりこぼす涙の原因でありました。
「秋茄子は嫁に食わすな」
の本当の意味は、秋の茄子はタネが少ないから、大事な嫁に子供ができなくなる。
従って嫁には食べさせるな、という意味である、などいろいろ理由がが述べられますが、こりゃ本当かね。
「タネが少ない」のが嫁に食べさせない理由なら、わが血の繋がったムスメにこそ食べさせてはならんのでしょう。
「ヨメナ」や「ヨメナの木」には「嫁にでも食わせろ」という感じがありますな。
ありゃ、山野に自生するものだから、好きなだけ食わせろだって。
風呂場の煙が目に沁みるなあ。
駄句5句と愚歌1首。
錦なす紅葉の随菜映え居たり
嫁菜の木行く秋惜しみて紅葉すなり
秋の雨随菜の紅葉洗ひたり
秋深し随菜は赤く肌寒し
降る雨や随菜の紅葉をなほ赤く
降る雨に姫薔薇負けず凛と咲き熱き生命を教へけるかな