写真は櫨(はぜ)の寄せ植え。
櫨の木は秋になると、径10センチほどのプラスチック鉢に寄せ植えされたものが販売されます。
櫨に限らず、幼苗の寄せ植えを作るのは意外と困難なので、わざわざ寄せ植えの形を作るのではなく、プラスチック鉢に用土を盛り、その上に直接種を蒔くのかも知れません。
写真の櫨の寄せ植えも、秋に売り出される1個100円の鉢を何かのついでに買ったものです。
購入以来、大した手間はかけていません。
毎年一回り大きな鉢に植え替え、水差しだけやってきたのですが、今年は一人前の寄せ植えの態をなしているようで、はや紅葉が始まっています。
櫨の紅葉を、歳時記では「櫨紅葉(はぜもみじ)」と記しています。
不思議なことに、単独で「櫨(はぜ)」という季語はないのです。
ああ、でも皆無でもなく、「櫨」を「はじ」と読ませてめでたく秋の仲間入り!
でもね、わざわざ「櫨」を「はじ」と読んでトクイ顔をする人もありますまい。
愚老など「はじかしい!」ってね。
陋宅の櫨も歳月を重ねれば結実するのでしょうが、今は花も咲かねば実も成らぬ、ほんにお前はつれないね。
「紅葉狩り」はあっても「櫨狩り」はないですね。
愚老この櫨を高く掲示して「櫨狩り」の遊びをいたさん、と考えております。
「櫨かぶれ」なんぞ恐れるにたらん。
櫨の木の下に毛氈敷きのべて新酒の回しのみですよ。
盃でやったりとったりは歯がゆいばかり、茶碗酒ないしはどんぶり酒がよろしいですな。
どんぶりの縁にはカケが1カ所、コレを避けて回しのみ、いいですなあ!
趣旨にご賛同の士のご参集を募ろうかな、とも思いますがダメですか。
櫨を見てカッポレを踊るなど、正気の沙汰ではありませんな。
駄句5句と愚歌1首。
櫨紅葉残り一葉も紅葉なり
櫨紅葉避けてぞ通る人もあり
櫨紅葉空澄み渡り鮮やかに
櫨の実は樹上に熟れて蝋となる
櫨の木は樹上に熟るる実が宝
紅葉する櫨の居並ぶ鉢を見て美しの声と避け通る人