木犀の香を嗅ぎながら墓参かな | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


金木犀

写真は金木犀(きんもくせい)。

秋の大看板金木犀は、これから本格的に開花するのでしょう。
秋の長雨の中に、今はまだちらほらと見えるだけ。

古い時代に唐土から渡って来た樹でありましょう。
秋深まる頃には樹下に散り敷く花は、雌雄異株のうえに雄株だけの渡来で、「花は咲けども実の一つだになき」山吹の定めです。
太田道灌ならぬ「負駄鈍感(おうだどんかん)爺」は溜息をつくばかり。

「桂花陳酒(けいかちんしゅ)」とは、白ワインにキンモクセイの花を3年間漬け込んだ中国の酒だそうです。
拙老は話に聞くばかりで、いまだ試飲の栄には与っておりませんので、想像するばかりですが、例えば「重陽の節句」などに盃を回し、そっと舐めるだけの祝い酒ではありますまいか。

さような「珍酒」を浴びるほど飲んで「心のウサを捨てたい」とは思いませんな。

愚老貧なれど清廉ゆえ、酒は澄んだ酒を頂きたい。
花やら果実やらマムシやらを混ぜ込んだ酒は、有り難けれど丁重に辞退申し上げますね。
金欠爺には茶碗酒にチャンチキおけさで小皿叩くのがよく似合う。

さりながら「果実酒」を造るには嫌いではありません。
今垣根に這わせた「サルナシ」が大豊作。
孫のコタ君が大事に育てておりますが、この前途有為の少年の目を盗み「猿梨酒」を醸(かも)さんと目論んでおります。

金木犀もね、花後にもし実が成ったら「金木犀酒」を造りますね。
金木犀酒、なんだか金持ちになったような豊かな気分がきっと味わえますぜ。

駄句5句と愚歌1首。


木犀の香る辺りや我が住まひ
木犀は喧嘩屋敷に香るなり
木犀を壜に詰めたし家つとに
名月に木犀の花供へたし
木犀の香を嗅ぎながら墓参かな

木犀に実の成りたらば猶良ろし独りごちてぞ花を浮かぶる