写真は杉玉(酒林)。
我が植木棚の「桜の園」満開の頃は愉快でありました。
径30㎝の「桜の園」には3本の旭山桜を植え、茅舎(ぼうしゃ、あばら屋のこと、つまり我が家の縮小レプリカですな)を置き、釣り竿を担ぐ爺の添景を備えたものです。
この「桜の園」の旭山桜は豪勢に開花いたしまして、筆舌に尽くしがたい絶景でありました。
小生は「桜の園」には特別目立つ名札を「建立」いたしました。
道行く人の心に供せんとの心遣いでありました。
名札には墨痕淋漓、カナクギ流の行書(仰書かな)で「桜の園」と大書。
添え書きには「三人姉妹(桜は三人でお仕舞い)」「作者・知恵豊富」と認めおきました。
「桜の園」を見た、道行く人の喜びはいかばかりであったか!
愚老、道行く人と喜びを分かたんとて、道行く人の過ぎたる後に、我一人で花見酒をぐいぐい。
愚老調子に乗りまして、孫娘のミイちゃんとサーちゃんに「歌唱指導」なども行いましたよ。
「♪ミイちゃん サーちゃん花が好き~」
メロディーもなにもあらばこそ、酔っ払い爺の出任せなのですが、ミイちゃんもサーちゃんも仕方なく歌ってくれました。
孫娘お二人の春の合唱は美しく楽しかった。
そこへ参りますと、酔っ払い欲ボケ爺のアリアのなんと汚いことか。
「♪爺ちゃん何より金が好き~」
さてさて、猛暑の夏が過ぎると。造り酒屋の軒先に「杉玉」が架けられ
る秋となりますな。
愚老、桜の時期に劣らず「杉玉」の季節が好きです。
ゆえに、一人で「玉見酒」をぐいぐい。
ムカシ白玉の虫歯に沁みる秋の夜の酒を頂くのです。
そういえば、つい先ほどまでの猛暑の折には「暑気払い」。
秋の夜の酒の後には「明けましていただきます」と祝い酒!
駄句6句と愚歌2首。
杉玉の汝(な)は通さじと秋の風
鼠尾草(みそはぎ)や茎折れながら空目指す
唐楓(とうかえで)明日は紅葉の構えなり
若楓(わかかえで)伸びる枝の素直なり
宵闇の花火の音を確かむる
行く夏や豆のほろりと地に落ちき
唐楓紅葉(もみじ)に足りぬ指ひろげ行く夏惜しみ風に揺れをり
杉玉は誰に知らすや新酒(あらざけ)の味を見ずして汝(な)は通さじと