夏至には梅干しと山梔子 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


ヌマタクチナシ

写真は山梔子の花。

2012/7/1撮影ヌマタクチナシ。

今日6月22日は「夏至」です。
春分、夏至、秋分、冬至の中で、「夏至」はもっとも冷遇されている気がしますね。
「冬至」には四季の行事に疎い我が家でも、庭のユズをもいで湯に浮かべ、一年の出来事を思い、つい長湯を致します。
風呂を上がると、カボチャが煮てあったりなかったり。
カボチャはなくとも爺はご機嫌、女衆に叱られながら二杯三杯と盃を干すのです。

孫諸君は「仮面ライダー」を思い「プリキュア」を偲び、赤鼻のトナイカイに乗ってやってくるサンタさんに願いを唱えるのです。
盗み酒で赤ら顔の惨憺ジジイは、孫の願いなど何処吹く風、加齢難聴は進むばかり。
呼びもしないサンタはきっと来ると言い、旬日をおいて「お正月」
「冬至」は孫も爺もどこか心華やぐ日ですね。

さてさて「夏至」は如何ならん。
ユズもカボチャもなし。
何処やらのボケ爺が「今日は夏至だぞ」と宣言致しましても、孫の衆は「え?ゲス?」と上の空で聞き流し、ゲーム器に顔を寄せ、爺などちらとも見ない。

我が戦後の紅顔の美少年たりし頃、学校へ持っていく弁当は、夏至だろうと怪し(けし)だろうと、米麦半々の日の丸弁当。
弁当箱を隅々まで見ても「おかず」なんざございません。
「夏至」の日はなぜか弁当には梅干しが二つ。
毒消しの意味もあったのでしょうが、嬉しくなかったなあ。

ところで、夕べ遅くまで小雨が、思い出したように降っていました。
どこからともなくクチナシのかおり。
夏至の日の最高のオモテナシになりそうです。
闇の夜に漂うクチナシの香りは、梅干し以上に趣がありますね。

駄句5句と愚歌1首。


山梔子の花の香りて夏至の雨
山梔子の香り運ぶや夏至夜風
山梔子の花に気づくや夜の闇に
山梔子の花端然と咲きて居り
夏至の雨途切れを知らず燗をつけ

夏至の雨途切る間もなくしとしとと我が胸底の記憶思ひみる