写真は桔梗。
キキョウは秋の七草、クキョウには爺は質草。
園芸の世界も日進月歩なのでしょうか。
先祖伝来の植物だけの売買では経営は苦しいのでしょうね。
花の色、花の形、少しでも他とは違うものを開発改良しないと商売にならないのでありましょう。
秋咲きの花も、「秋咲き」で安心していては置き去りにされるので、「秋の七草」も夏咲きに改良されて店先に並べられるのですね。
桔梗が梅雨に咲いたら「奇矯」。
桔梗がお盆の頃に咲き始めたら、田舎出の我々は「キキョウ=帰郷」を思う、というのが普通でありました。
秋の七草は難しいゆえ、唱えやすい語呂で覚えよう、「お好きな服は」など如何、と覚えたものでした。
「おすきなふくは=女郎花、芒、桔梗、撫子、藤袴、葛、 萩とあいなるのです」
七草をシチクサと呼んだ 質草
我が家のキキョウがツボミを膨らませております。
このツボミも、しみじみ見ると異様な形ですね。
昔ムカシの東映時代劇映画の「お姫様危うし」の風情に見えるのです。
防寒用であるのか、正体隠しの覆面なのか、用途は不明ですが、紫色の布を鬼灯(ほうずき)に被り、勤王の志士からの密書入り袱紗の包みを小脇に抱き、右見左見小路を急ぐ。
かかる目立ちたがりの態(なり)ではすぐ捕まるのですがね。
あの、紫色の頭巾は「御高祖頭巾(おこそずきん)」と申しました。
御高祖頭巾も、怪傑黒頭巾も、鞍馬天狗も、忍びの者も、頭に被りし風呂敷は「防寒具」ではありますまい。
氏素性を隠す「覆面」の役割こそ頭巾には託されていた、と思うのです。
いやいや、ここは頭巾の講釈ではござらん。
我が家に開花を待つキキョウのツボミについてでありました。
写真をご覧下さい。
間もなく「キキョウの開花」で御座候。
駄句5句と愚歌1首。
梅雨空を秋霖とてか桔梗咲く
いつとてか桔梗の青の夏空に
桔梗咲く夏空の陽の強きかな
七草の桔梗は季節知らぬげに
桔梗咲く庭の暑さや梅雨最中
五月雨の萩は咲きをり桔梗もや梅雨の最中に御高祖頭巾を