写真はどちらも「ヒマラヤ雪ノ下」。
二葉の写真は「ヒマラヤ雪ノ下」です。
満開の花を咲かせているのは14年4月12日撮影。
芽出したばかりは15年6月1日撮影。
我が家では白帆を掲げる国産「ユキノシタ」に並べて「ヒマラヤユキノシタ」を置いてあります。
どちらもユキノシタ科ゆえ、近縁のよしみで仲良く励まし合い育つに違いない、と勝手に思っているのです。
この二つを並べてよくよく見ると、両者はかなり違っています。
国産「ユキノシタ」は虎耳草(こじそう)と書いて「ゆきのした」と読ませるのですね。
虎耳草の青葉の模様が、虎の毛皮に似ているのが名前の由来でありましょう。
真夏の木陰に伸びゆく「ユキノシタ」は細々とした白花を咲かせています。
「ヒマラヤユキノシタ」の葉はかなり大型で、団扇にも似た姿で地に這っていて、そののそのそした横柄な姿態は、どこやらの怠け爺に酷似しているのです。
どこやらの怠け爺は、水撒きの度ごとに、地に這う団扇に似た葉を踏むことが再三。
「ヒマラヤユキノシタ」にしても、爺に踏まれて嬉しくはないでありましょう。
踏まれた葉を持ち上げて、爺の無礼に抗議するのです。
「痛えなあ!俺を踏んだだろう。俺が今何処にいるって?オマエラのクツノシタだ」
なあんて言うわけはありませんが、ヒマラヤ大将は踏まれたままの姿勢でふて寝をするのです。
でもねえ、ヒマラヤユキノシタの花は見事ですよ。
国産ユキノシタのか細い花と違って、旺盛に咲くのです。
近年、このヒマラヤユキノシタが入手困難でありまして、園芸店でもあまり見かけませんな。
さてさて、そこでですよ、愚老はこのヒマラヤ大将を株分け致しまして、内緒内緒、孫のミイちゃんの食器にタガネで穴を開け、こっそり植えたのです。
やがて芽が出てふくらんで、横柄な葉を広げるや、ミイちゃんの咎めるところと相成るでしょう。
パードン ミー。
駄句5句と愚歌3首。
ヒマラヤの雪ノ下我が宿に
ヒマラヤの雪ノ下雪崩(なだ)れ咲く
ヒマラヤの雪ノ下雪崩(なだ)るごと
虎耳草はヒマラヤ産の花に合ふ
虎耳草とふと呼びたかりヒマラヤ出
ヒマラヤの雪ノ下花穂あげ懐かしき故郷夢む
雪の下異国の花はヒマラヤの香りを教へ誇らかに咲く
ヒマラヤの名の雪ノ下青空に雪崩(なだ)るるほどの花溢れたり