写真は空木(うつぎ)。
空木の別名ウノハナ、雪見草。
3葉の写真のウツギは産地が異なります。
杯形の鉢に収まった「ウーちゃん」は5年生。
一枝だけの「ウーたろう」は6年生。
足下に岩を抱いた「ウー爺さん」は20年生であります。
5年生は鹿児島県伊佐市で手に入れました。6年生は福島県白河市産。20年生の老体は栃木県益子町の育ち。
芭蕉の足跡や西行の慨嘆など、それぞれ産地にまつわる思い出があるのですが、確たる形では思い出せません。
どのウツギも今花盛り。
惜しむらくはどの鉢のウツギも杜鵑(ほととぎす)を枝に留めたことはありません。
当たり前ですよね。
この枝の細さから、杜鵑(ほととぎす)どころかツバメでも留まるのは不可能でしょう。
よって、愚老「ウーちゃん」を手に「♪う~のはな~のにおう垣根に」と調子外れの「夏は来ぬ」をうたいます。
これだけで済ませたら「ウーたろう」も面白くないでありましょう。
ゆえに、先ほどの「夏は来ぬ」の2番をアホ声で唸ります。
さて、「ウー爺さん」だって黙っちゃおりませんぜ。こちらには「夏は来ぬ」の3番を披露するのです。
1,2,3番の歌詞が違えば、もとより音程狂っておるわけですから、それぞれ別の歌に相成ります。
え?その他のウツギにはどうする?
ダイジョブ、ダイジョブ、「夏は来ぬ」の歌詞は5番まであるので、1番の歌詞から5番の歌詞にたどりつく頃はもはや縁もゆかりもない「夏は来ぬ」になっていますので。
駄句6句と愚歌1首。
卯の花は匂ふに聞かぬ時鳥
卯の花は翳しに小(ち)さき小花かな
空木の名虚けに聞こえ腹立つる
真夏日を確かにするか花空木
空木垣背に負ふ犬の熱き息
緑の日昭和懐かし歌聞く日
卯の花の咲きし垣根を嫌ひてか羽休めにも来ぬ杜鵑