♪卯の花の匂う垣根に | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


空木3

空木2

空木1
写真は空木(うつぎ)。

空木の別名ウノハナ、雪見草。

3葉の写真のウツギは産地が異なります。
杯形の鉢に収まった「ウーちゃん」は5年生。
一枝だけの「ウーたろう」は6年生。
足下に岩を抱いた「ウー爺さん」は20年生であります。

5年生は鹿児島県伊佐市で手に入れました。6年生は福島県白河市産。20年生の老体は栃木県益子町の育ち。

芭蕉の足跡や西行の慨嘆など、それぞれ産地にまつわる思い出があるのですが、確たる形では思い出せません。
どのウツギも今花盛り。
惜しむらくはどの鉢のウツギも杜鵑(ほととぎす)を枝に留めたことはありません。
当たり前ですよね。
この枝の細さから、杜鵑(ほととぎす)どころかツバメでも留まるのは不可能でしょう。

よって、愚老「ウーちゃん」を手に「♪う~のはな~のにおう垣根に」と調子外れの「夏は来ぬ」をうたいます。

これだけで済ませたら「ウーたろう」も面白くないでありましょう。
ゆえに、先ほどの「夏は来ぬ」の2番をアホ声で唸ります。

さて、「ウー爺さん」だって黙っちゃおりませんぜ。こちらには「夏は来ぬ」の3番を披露するのです。
1,2,3番の歌詞が違えば、もとより音程狂っておるわけですから、それぞれ別の歌に相成ります。

え?その他のウツギにはどうする?
ダイジョブ、ダイジョブ、「夏は来ぬ」の歌詞は5番まであるので、1番の歌詞から5番の歌詞にたどりつく頃はもはや縁もゆかりもない「夏は来ぬ」になっていますので。

駄句6句と愚歌1首。


卯の花は匂ふに聞かぬ時鳥
卯の花は翳しに小(ち)さき小花かな
空木の名虚けに聞こえ腹立つる
真夏日を確かにするか花空木
空木垣背に負ふ犬の熱き息
緑の日昭和懐かし歌聞く日

卯の花の咲きし垣根を嫌ひてか羽休めにも来ぬ杜鵑