天神の藤の花房頭撫づ | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


藤
写真は藤(野田藤)。

写真のフジは接ぎ木して6年目。
昨年から旺盛な開花を見せています。
山取りの野フジを台木に、野田フジを接いだものです。

野田フジをいただいたご老体は、
「これは三尺フジだよ。花房の長さが三尺(約1㍍)になるからな、これが成長したら見事なフジになるぞ」
との長い注釈を土産に下さった。
「山フジの蔓は左巻きだけれど、野田フジは右巻きだ。フジだって人間だって、左巻きには気を付けた方がいいぞ。いつ何をしでかすか分からんからな」

フジの接ぎ木は不器用な拙老でも成功いたしたくらいなので、誰にもできるものなのでしょう。
ただし「三尺野田フジ」はなぜだか「一尺に足りない」花房であります。
まあね、写真の鉢に育ったフジが、三尺の花房を下げたら、こりあエライことですよ。
孫のミイちゃんが幼稚園で身の丈六尺に育つようなもので、新聞ダネになりますよ。
人も物も「器」に合わせて生きるものなのでしょうね。

芭蕉翁は「笈の小文」の中で、
「草臥れて 宿借る頃や 藤の花.」
と詠んでおられます。
以前からこの句は粗脳爺には難解でありました。.

①旅に疲れて、宿入りしようとふと見ると、藤の花が気だるく咲いている。
②旅に疲れて、宿入りしようとふと見ると、我を鼓舞せんと藤の花が揺れている。

①、②のどちらでありましょうや、ご教授いただけると幸甚です。

駄句5句と愚歌1首。


三尺にやや足りねども藤の花
懐旧の藤の花房紫に
野田藤は房先揃へ下がり居り
藤の花薄紫に輝きぬ
天神の藤の花房頭撫づ

三尺に遥かに及ばぬ花なれど我が藤の花懸命に咲く